石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

月刊連合の11月号がイイ!

2012-10-30 23:19:09 | 活動レポート

今日届けられた月刊「連合」の11月号、特集は『バッシング政治と民主主義』というちょっと刺激的なタイトル。特集の中の4本の記事がいずれも秀逸なのですが、とりわけ湯浅誠さんの「おまかせ民主主義の危機」という記事を共感もって読ませてもらいました。

詳細はぜひ読んで欲しい(購読していない方、組合事務所等で読むことが出来ない方、こちらで最初のページだけ読むことができます)のですが、内容は、内閣府参与として約2年間仕事をされた湯浅さんが、その経験を通じて発見した「民主主義の問題点」です。

湯浅さんはまず、官僚に対して大いに不信感を持って政府に入ったことを紹介しながら、こう言っています:

実際に仕事を始めてみると、(担当参事官が)何かにつけて「難しいと思います」という。本当に難しいのか、やる気がないのか、不信感が募る。それで「もういいから自分でやる」とやってみたら、本当に難しかった

官僚の中にも、実は私と同じぐらい世の中をなんとかしなければと思っている人が大勢いることもわかって、「難しさ」を共有しながら一緒に作戦を練れるようになった。


そして、「政府に入ったのに難しいのか?」という問いかけに対してこう答えるのです:

政府に入ったからこそ難しい。民間での活動は.....集まるのは同じ考えを持つ有志で、賛同者のお金を使う活動。

一方、(政府での活動は)税金を使うということ。(その政策に)反対する人が納めた税金も使うことになる。つまり、反対している人も含めて、国民全員が利害関係者なので全体の合意を取り付ける必要がある...そうすると、政策実現のために調整を重ねれば重ねるほど、妥協の度合いが増して内容は薄まっていく。


まさにこれが、民主主義のプロセスなのです。しかし問題は、有権者自身がそのことに気づいていないことで、湯浅さんはこう述べています:

(国民の間で)利害が複雑な問題がたくさんありますが、それぞれが意見を言いっ放しで、「あとは政府が決めてくれ」と調整を任せている。任せたのなら、その決定には従うべきなのに、当然、調整すると広く薄くなって自分の思ったとおりの結果にはならないので、みんなが政府に文句を言う。言いっ放しで任せておきながら、出てきた結論には文句を言う。そんなことが繰り返されて、政府や政治に対する信頼がどんどん低下してしまった。


湯浅さんの主張はこの後も続いて、特に、大阪の橋下市長が、労働組合に「既得権益」というレッテルを貼って、その「社会性を剥奪している」というくだりはまさにその通りなのですが、詳しくは本文でどうぞ。


あらためて言うまでもないことですが、2010年7月の参議院選挙で民主党が敗北し、参議院で過半数を失って以来の2年余り、民主党はねじれ国会という状況下で政権運営をしなければならなくなったわけです。それはまさに有権者の皆さんが、参議院は自民党に勝たせるから、ちゃんと民主党と自民党で話し合いをして民主的に物事を決めて欲しい、という意思表明をしたことに他ならないのですね。

何せ、自民党の合意がなければ参議院ではまったく法案を通すことが出来ない(委員会すら開けない・・・)のですから、自民党(及び他の野党)と合意形成を図らなければならないわけで、そうすると当然、妥協の度合いは高まるわけです。その妥協を「けしからん」と批判するのは簡単ですが、そこでふっと立ち止まり、それは現在の政治状況下における民主主義のプロセスの結果であって、まさに民意の反映であることを理解し、尊重することが必要なのではないか? ---- 湯浅さんはそう問いかけてくれているような気がするのですが、さて、皆さんはどう受け止められたでしょうか?