腸と脳が相関関係を持つ、連携していることが取り上げられていますが(腸脳相関)この本のテーマは腸内環境と森の土壌環境とのアナロジーに注目したもの。腸内環境は人が根を下ろす「土」に相当。土壌に暮らす微生物が、食べ物と共に腸内に移住したものが腸内細菌の起源であり、食べることを通して、外的な環境と接続している;日々の食べ物が腸内の土作りの材料になり、消化や腸内細菌による発酵を通じ栄養豊かな土となる。それはまるで、森の落ち葉や動物の死骸から腐植土が作られるシステムと同じと考えられるというのがこの本の着眼点。 あらゆる生物が菌との共存関係にあるというのは良く知られた話ですが特に腸内環境で重要なのは菌の多様性と短鎖脂肪酸を
算出する細菌を育む食事とのこと。プレバイオティクス〉腸内の細菌のアシスト、人間が分解できないものの腸まで到達して常在菌のえさになるものの供給、植物に含まれる多糖類を活用し腸内へ(野菜、海藻、豆類、雑穀類)、プロバイオテイクス〉発酵食品やサプリメントにて菌を供給。(味噌、塩麴、納豆、キムチ)など。なおヨーグルトは加熱殺菌に伴う菌の現象があることや家畜飼育環境などの問題からあまり推奨されてません。ラピュタの名場面で「土から離れては生きられない…」というのがありましたがこれと同じようなことを言っているのが身土不二という仏教の言葉。身と土は2つにあらずとのことですが土壌と腸内を結び付けた視点は面白いと感じました。やや精神的な面もある話ですがこの本の中で例に示されているようにまず自らが出来ることからやるというのが基本原則なのかなとは思うので菌環境も意識して暮らすというのは損はないように感じます。
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