Takekida's log

千里の道も一歩から

脳=記憶

2018-09-13 01:30:01 | What`s new ?

Memory Takes Time Neuron

ヒトの脳全体で千数百億個あるとも言われる脳神経細胞のニューロンは、いかにわれわれの経験を「記憶」するのかメカニズムの一端を解き明かす研究結果が発表されています。結論から言うと経験を遺伝子のスイッチを改変させることによって記録しているということらしいです。ただ分子や、分子が制御するシナプスそのものが記憶である、という考えは誤りでそもそも記憶が蓄えられている場所というのがあるのでなく記憶にかかわるニューロンの可塑性(外界の刺激などによって常に機能的・構造的な変化を起こすこと)と呼ばれる応答特性を持つ「システム」というのが正解なのでしょう。 

 またこれらの記憶には時間軸というものが存在することがわかって来ました。たとえばカッターで怪我をしてしまったときなどは、短時間の刺激ですぐに反応できる迅速な遺伝子が脳内で発現。また、作業の手順を覚えなければならない場合などは、怪我のよる痛みよりも長いあいだニューロンへの刺激が持続。そうしたときには、迅速に応答するものと遅く応答する遺伝子の両方が発現するとのこと。刺激に対応する遺伝子発現パターンは、脳の6層構造のいずれかにあるニューロンによって異なっており、反応の速い遺伝子発現は脳の深い層にあるニューロンで起こり、反応の遅い遺伝子発現は比較的表面層にあるニューロンで起こるとのこつまりは層の位置で短・長期の記憶の遺伝子的発現が異なるとのこと。人間が短期的な危険を経験的に察知して行動できるのと10年後までの生活プランを考えるのを両立できるのはこういった使い分けを脳内でしているからと言えそうです。

 反応の速い遺伝子と遅い遺伝子の関係を調べることで、われわれの脳がどのように新しい経験に基づいた情報を収納し、ニューロンの過活動を調整するのか、そのメカニズムの解明に役立ちそうです。ここら辺はある意味 物理的な変化で記憶する半導体素子などとは大きく異なっているのが面白いところ。果たしてシステムとしての動作の自動的発現というのは人間が真似出来るものなのかどうか…

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