学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

会津若松へゆく

2015-10-22 20:28:59 | 展覧会感想
現在、福島県の会津若松市で開催されている「あいづまちなかアートプロジェクト2015」を見てきました。

会津の産業である「漆」にスポットをあてたもので、全国の美大の先生や生徒が制作した「漆」作品が街中に展示されるという試み。

会津は古い町並みが残っているところで、展示場所には酒蔵、洋風建築の旧医院などが選ばれていました。


かつて日本人の暮らしに寄り添っていた「漆」。

水彩でもない、墨でもない、「漆」の光沢がある深い黒は独特の肌合いを持っています。

作品を見ていくうちに、美しい「漆」に魅了されている自分に気が付きました。

個々の作品には触れませんが、そのどれもが「漆」の新しい可能性を提示してくれているようです。

展示に関しては、ガラスケースを通さず、間近で作品を見ることができるのが嬉しい。

しかも、触れてよい作品もあって、「漆」の質感を手で感じることもできます。


1日ですべて見ることができるほどの、ほどよい数のアートプロジェクト。

スマートフォンを利用したスタンプラリーもあって、それも集めて楽しむのもまた一興です。

会津若松の歴史ある街を散策しながら、「漆」の素晴らしさを堪能できるおススメのイベントです。


●「あいづまちなかアートプロジェクト2015」11月1日まで福島県会津若松市にて開催中