チャールズ・ディケンズといえば、貧しい人々の視点から社会を見ようと試みたイギリスの国民的作家です。今日ご紹介するのは、そんないつものディケンズとは一風変わったミステリー『信号手』です。もしかしたら、前にブログで書いたことがあったやもしれません。
「おうい、そこの下の人。」
本小説は、その一言に尽きます。それが後半になると読み手にも恐ろしい響きとなるのですが…。
主人公は、とある信号手のもとへ行き幽霊の話を聞きます。何でも大きな鉄道事故が起こる前には、必ずその幽霊が信号手に向かって警告するとのこと。目の錯覚でしょう、と言う主人公ですが、今までに2度同じことがあったのだと信号手は語ります。
ところが信号手曰く、その幽霊、こまったことに警告してくれるのはいいのですが、一体何が起こるのかを教えてくれない、また、仮に大きな鉄道事故があるのなら、信号手のような現場の人間ではなく、もっと会社のトップにでも警告してくれないと鉄道は止めようがない、とある意味もっともな意見を言うのです。
そして数日後、ある事件が起きて…。
日本の怪談話と違って、どことなく謎めいていて推理がかっている気がするのは英国文学の伝統なのでしょうか。短編ですが、背筋がぞくっとすること間違い無しです。いつもとは違うディケンズの作品。なかなかスリルがありました。岩波文庫『ディケンズ短篇集』に収録されておりますので、怖い話が好きな方はいかが?
「おうい、そこの下の人。」
本小説は、その一言に尽きます。それが後半になると読み手にも恐ろしい響きとなるのですが…。
主人公は、とある信号手のもとへ行き幽霊の話を聞きます。何でも大きな鉄道事故が起こる前には、必ずその幽霊が信号手に向かって警告するとのこと。目の錯覚でしょう、と言う主人公ですが、今までに2度同じことがあったのだと信号手は語ります。
ところが信号手曰く、その幽霊、こまったことに警告してくれるのはいいのですが、一体何が起こるのかを教えてくれない、また、仮に大きな鉄道事故があるのなら、信号手のような現場の人間ではなく、もっと会社のトップにでも警告してくれないと鉄道は止めようがない、とある意味もっともな意見を言うのです。
そして数日後、ある事件が起きて…。
日本の怪談話と違って、どことなく謎めいていて推理がかっている気がするのは英国文学の伝統なのでしょうか。短編ですが、背筋がぞくっとすること間違い無しです。いつもとは違うディケンズの作品。なかなかスリルがありました。岩波文庫『ディケンズ短篇集』に収録されておりますので、怖い話が好きな方はいかが?