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昨日愛宕山に一緒に登った弟が持っていていたのを貰いました。
昔の山屋(登山者)が尻に付けていて休憩時にそのまま地面や雪の上に座っても濡れたり、冷えたりしないようにするものです。
昭和30年半ばまではカモシカの毛皮を尻皮にしていました。もちろん当時も日本カモシカは天然記念物で禁猟でした。
特にカモシカでなくてはならないと言う事はありませんでしたが日本カモシカの尻皮がその頃の登山者には重宝されていました。
それも上等なものは冬毛のカモシカに限定されていました。冬毛は毛の間に綿毛と言われる柔らかい毛が密集していて保温性、防水性に優れていました。
昭和30年代でも先に書いたようにニホンカモシカは禁猟で、勿論販売も禁止でしたが登山専門店(当時はまだあまり登山用品を専門に販売する店は少なかったのですが)などでは内緒で手に入れる事が出来ました。
日本アルプスの山麓の村の猟師が大学山岳部の部室に内緒で売りに来る事も有ったくらいです。ニホンカモシカ以外にも犬の毛皮が廉価品として出回っていましたがやはり日本カモシカの尻皮が山屋のステータスでもありました。
高価で勿論私等には手が出ませんでした。その頃、岡山県か?(中国地方)の運動具屋で摘発されて、日本各地、と言っても東京や大阪の専門店や登山用品に強い運動具屋の主人は岡山の警察署に出頭してシボラレタと登山専門店の先輩方に話を聞きました。
今はニホンカモシカも増え過ぎて間引かれているように聞きますので手に入るかも知れません。
昔からマタギや日本アルプスのボッカの人達には必需品でした。
昨日貰った尻皮は行者をやっていた人に貰ったものだと弟は言っていました。行者も山野に腰掛けるのに使いよかったと思います。
私も猟に出る時には尻にぶら下げてみようと思いますが残念ながらこの尻皮はニホンカモシカでは無くてシカの毛皮のようです。
保温性は無いが岩上や雪の上に座ってもズボンが濡れるような事は防げそうです。
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