●2月4日(月)10−30 六本木<シネマートB−2試写室>
M−013『ハッシュパピー/バスタブ島の少女』Beasts of the Southern Wild (2012) entertainment one / court 13
監督/ベン・ザイトリン 主演/クワヴェンジャネ・ウォレス <93分>配給/ファントム・フィルム ★★★☆☆☆
ルイジアナ州の干潟の小島に住む少女の、壮絶なサバイバル童話。
極貧の生活のうえに、地球温暖化の影響で、海の水位が上がって、この浮き島のような地域は沈みかけている。
魚やワニを捕まえて食べている原始生活で、電気、水道、ガスなどのインフラとは無縁。
ましてやパソコンやケータイも、キャッシュカードもスイカもない。
州警察もその危険な過疎地域に住む住人たちに退去を命じているが、10人ほどの住人たちは断固として抵抗している。
われわれのような文化的な生活に慣れている現代人には、とても信じられない原始的な生活。
貧困で不潔で危険。将来はない。それでも、6歳の少女ハッシュパピーは幸せだ。
これは、まさにひとつの仮説のようなファンタジー。
異色の作品は多くの共感を得て、ことしのアカデミー賞の主要4部門にもノミネートされている。
いかにもアメリカで、この設定というのが、呆れるほどに大胆でアグレッシブだ。
水位が上がり、ハリケーンが襲い、まったく無防備な住民たちは海に投げ出される。
まさに災害被災地なのだから、避難して清潔な仮設住宅で普通の生活をすればいい。
しかし、父を病死で失っても何もなくなっても、少女はこの浮き島での生活に拘るのだ。
実にパワフルな必死のサバイバル・ファンタジーを、アカデミーは本気で評価するのだろうか。
■強烈なゴロがショートの股間を抜けてヒット。
●4月20日より、渋谷シネマライズなどでロードショー
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