●10月22日(火)10-00 六本木<FOX映画試写室>
M-133『ザ・イースト』The East (2013) fox-searchlight pictures / scott free production
監督・サル・バトマングリ 主演・ブリット・マーリング <116分> 配給・20世紀フォックス映画 ★★★☆
巨匠リドリー・スコットと、故トニー・スコットが、次世代の後継者としてバックアップしているメンバー期待の新作。
実在したという企業テロ・グループの異名が「ザ・イースト」。大手薬品企業などの環境破壊に反発するゴースト集団だ。
薬物の新製品による副作用「サイド・エフェクト」で、身体や神経に異常をきたした被害者たちの不幸のために、彼らは行動していた。
元FBIの女性捜査官ブリットは、大手薬品メイカーの依頼を受けた調査グループのアンダーカバー<僣入者>として「ザ・イースト」に接近。
もともとはピッピー・コミューンのような生活をして、奥地の廃家で自然食品で自活している彼らは、もともとは良家のエリートたちだ。
さすがに、このテのサスペンスに通じているスコット兄弟は、無駄なサスペンス・シーンは除外して核心にどんどん迫って行く。
小気味のいい演出テンポだが、よく考えると、どうして電気のない日常生活の彼らが、それだけ緻密な企業秘密を掌握しているのかは、不明だ。
恐らくは高度なバッテリーと先進のネット操作で、すべての情報を握っている秀才たちなのだろう。そこは映画的な省略が多い。
ま、そんな細かなことを気にしていたら、このテのジニアス連中の行動とサスペンスの早さには追いつけない。
リーダーを演じるアレキサンダー・スカルスガルドは、あの名優ステランの息子さんで、これが中々の切れ者で、将来が楽しみな逸材だ。
捜査官の女性ブリットが、ちょいと微妙な恋を感じて、いまのボケな彼を振ってしまう気持ちも、これなら理解できる。
脚本家でトニー・ギルロイが「フィクサー」やその前にも取り上げた薬物の環境破壊や副作用のケア問題を取り上げたが、ここではそれを突っ込んだ。
女性捜査官の活動なので、派手なアクションはないが、いろいろと今後に期待の出来るスタッフの登場は、とても嬉しい収穫だ。
■バットを短めに持って、シャープな左中間へのエッジのきいたヒット。
●2014年1月31日より、新宿シネマカリテでロードショー
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