諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

春惜しむ 備忘録

2012-04-24 21:54:34 | 日記・エッセイ・コラム

 春は、もう行かんとしております。 * 春の写真が、まだ“数葉”あります。時間が少しずれますが、書き込み,今春の備忘録”とします。

 邑社(むらやしろ) 桜大樹は 華やげど 詣づる人の 減りし年どし ー夢蔡ー

20120417_042 ▲ 【若宮稲荷】 近在の三十数軒の氏神であります。*稲荷さまを背景にした村人の集合写真があります。この村落から出征兵士に送ったものです。稲荷さまを守ったのは、若い女性たちでした。その中の一人の少女が、今では、後期高齢者“ディーケア”の世話になっております。

 森閑と 邑社の時 流れいる 桜散り敷き 藪椿落つ ー夢蔡ー

20120417_033 ▲“稲荷さま”の境内は、野に遊ぶ子供たちの集合場所でした。過ぎ去った‘時’のことです。

 散り敷きて 土に帰りし 桜花 ー夢蔡ー

 菜花咲き満ち 後に搾らる  ー蕪孫ー

20120417_041撮影日は4月15日。菜花街道を歩くと、甘い香りが鼻をつきました。それから10日ほどたちました。花はほとんどが終わり、“種いりのサヤ”をギッシリ付けております。

 ーー付録ーー

 春の七草の花の写真シリーズを進めてきましたが、「芹・御行(母子草)・仏の座(たびらこ)」が、見つからず撮れませんでした。田畑の畦や路傍の草の相が、変わってしまったようです。  

20120330_005 ▲【ホ ト ケ ノ ザ】 花のつだいだく葉を仏の蓮華座に見立てた名。本州から沖縄の畑の畦や道ばた生える1~越年草。*手入れを怠った畑や、牛蒡畑の寒冷紗の中で大繁殖します。現代機械化農法に対し最も適応できた草目の一種です。

風そよぎ 葉ずれかすかに 椿落つ 華やぐ春は つかの間の時 ー夢蔡ー

   -----おわりーーーー

 


沼春景 鷺の恋

2012-04-22 14:55:04 | 日記・エッセイ・コラム

 【穀 雨】(新暦4月20日ころ)。“春の雨が、田畑を潤し、穀物の成長を助けます。”ここ 2~3日、低気圧が通り過ぎて、その通りになっております。枝豆を植えた専業農家の人が、ちょうど良い雨だと言っておりました。▼ 沼の堰堤は、葉桜  の並木になりました。辺りの木々も、うっすらと緑色を帯び始めました。沼の真ん中にある“弁天様”を祀った“小島”が、にわかに活気付いて参りました。

春さかり 巣作りの枝 奪い合う 弁天小島の あお鷺 しら鷺 ー夢蔡ー

20120415_008_2 ▲ 弁天様の島は広くはありません。高い木は数本です。その中で一番高いところに巣をかける競争に勝ったのは、アオサギでした。 羽を広げると90~100cmは、国内最大の鷺。

 巣作りの 場のさだまりて あお鷺は 嘴かわし 愛たしかむる夢蔡ー

20120415_009 ▲ 和名の漢字表記は、【 蒼 鷺 】 青みを帯びた灰色。繁殖期の特徴で、冠羽が長く延びてるので、頭の羽乱れて見える。

 ▼ あちこから、木の枝を拾い集めて、巣づくりをします。夫婦協力して卵を温めます。約26日で孵化します。仔サギたちが、独り立ちするのは、7月、餌となる蛙が沢山いる田植えの終わる頃です。かくして、とは、覚悟手間であります!

  ー弁天小島の高木は、蒼鷺に占有されました。ーー

20120415_006_2 ▲ 高木は、蒼鷺の数組のものです。木の根元の狭い空間が、“白鷺”たちのものです。一組の占有箇所が決まったようです。見物しているのは、“ごいさぎ”です。「そこでよろしいですね? 後がつかえてますので・・」

20120415_007_2 ▲ 巣作りの場所争いは、けたたましい叫び声と羽ばたきで、体力勝負!。強いモノ勝ちです。子孫繁栄はまず子育てのための“安全安心の場”の確保からです。 

 し ら ー さ ぎ 【白鷺】とは、コウノトリ目サギ科の鳥のうち、全身純白色、背に蓑毛(みのげ)がある種類の総称。ダイサギ、チュウサギ、コサギなど。(広辞苑)

 ー写真に登場しているのは、【コサギ】です。その特徴は、夏羽(春以降の羽)になると、頭に2本の長い飾り羽が延びます。 ゴイサギたちと、コロニーをつくり、繁殖します。ーー 

 巣作りは 放鳥トキなら トップ記事 小鷺ー

  スター求めし 絆うすき世  ー鴨長ー 

                 --ー 了ーー

 


花の訪問者

2012-04-18 22:08:26 | 日記・エッセイ・コラム

 日中の温度が、15~6度に安定してきました。過ごしやすくなりました。桜は、青葉が目立つようになりましたが、春の花々は、いまは盛りです。黄色、淡紅、濃紅、白、紫・・のコラボレーションは、今を措いてありません。

 白椿 蘂(しべ)より漏れし 蜜だまり 甘きに酔いゐる はなもぐり甲虫 ー夢蔡ー

20120408_027 ▲ 小形の甲虫(かぶとむし)“ハナムグリ“ 本来は、花芯の奥に入り込み、動き回って蜜を吸う。結果、椿の花粉が雌しべへ着くのですが、写真の状況では、タダ飲みです。多分、蜜の漏れ出したのは、ヒヨドリがつついたせいかもしれません。

 蒲公英の 歌作らんと 覗き見る 花あぶ来たりて 睨みかえさる ー夢蔡ー

20120417_025 ▲ タ ン ポ ポ【蒲公英】 タンポ穂の意で球形の“果実穂”をタンポに見立てた名称。タンポポの凄いところは、 花びら一つひとつが、“舌状花”と言う“独立した花”である。その先端に種を結実させて、綿毛となって飛び散る。繁殖力は、抜群である。

 陽光の 破片(かけら)のごとく 蒲公英の 咲けば荒れ畑 美(は)しき花園-夢蔡ー

 


続・樹下の春ー七草の花

2012-04-15 18:04:51 | 日記・エッセイ・コラム

 「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ」 ▼この “七草の花”の写真掲載を始めました。まずは、“なずな、はこべ”でした。ところが、他のもの、特に"せり、ごぎょう、ほとけのざ"、の花が見つかりません。田畑の畦の植物相が変化したせいでしょうか。?

 樹下ではなく、ご近所の菜園にありました。“すずな、すずしろ”を先行します。--

自家菜園 蕪の黄花を 愛でしかな ー夢蔡ー

 ー実は、“蕪の花”が黄色くて、白菜、アブラナ、チンゲンサイの花と、全く区別がつきません。知りませんでした。ーー

20120408_023 ▲ カ ブ 【蕪 蕪菁】 植物学上では、ハクサイ・アブラナ・チンゲンサイなどの仲間。原産地は、地中海沿岸から西アジアとされる。世界に広く栽培される。“グローバルな野菜” ▼【 阿乎奈 蔓菁(あおな)として万葉の時代に食卓へ登場している。蔬菜類中の絶品!!。すずな(鈴菜)

 ー「蕪」は、田畑が荒廃して雑草が生茂ることを意味します。用例ー「田園まさに蕪(あ)れなんとす 」 (帰去来兮の辞  陶淵明) * “カブ”は「菁」ですが、この字は、本来は食用の“ニラの花”の意で、『華やかな彩り』の意もある。【菁華】(せいか)=(そのものの最も優れたところ)のように良い意味で使われる。 (「漢辞海」)ーー

 

  雨去りて 白く清(すが)しや 花大根 夢蔡ー

20120413_002 ▲ ダイコン 【大根】 欧州原産とする、昔、中国経由で渡来。【 於朋禰(おおね)】として、すでに万葉時代には、生食、漬物と用途多様の“野菜”であった。

 ▼ すずしろ(清白)は、花からイメージしたとは思っておりませんが、良いネーミングです。ダイコン・カブは栄養が根よりも葉に多くあるのは、ご案内の通り。カルシウム・カリウム・カロチン・ビタミンBーC 食物繊維が豊富。

 ▼  今日、人は、この部分を殆んど捨てております。TVコマーシャルの影響を受けて、サプリメントを求めるのは、現代の皮肉ではないでしょうか。

         ----了ーーー


清明なれど風強し

2012-04-07 18:40:43 | 日記・エッセイ・コラム

 清 明 (せいめい)「 旧暦三月辰の月の正節。新暦は四月四日 (18時06分)桜花爛漫、天地万物清新の気が満ち溢れる。」 ▼ 暦で言っておりますが、今年は、少しはずれであります。沼の桜花=染井吉野 は、もう少しです。

 沼から一キロばかり行った川沿いのフラワーロード河津桜は頑張って咲いております。

 陽を透(とう)し 河津桜は 濃き紅の 彩(あや)に木下の 若菜を染めし ー夢蔡ー

20120404_005 ▲ 【河 津 桜】は、早咲きです。この近郊では、新しい公園などでは、よく見かけるようになった。立ち木の花の少ない時期だけに、よく目立ち、将に、桜花爛漫の魁。

 ー日中は、西北の風が吹き荒れた。関東ローム層の砂塵が舞った。風は、雲を吹き飛ばして収まると、東の空は、青く澄んでいた。

 清明の 白き月あり 桜道  ー夢蔡ー

20120404_011 4月5日 十三日の月。5時30分頃に撮影。