諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

梅雨明け宣言

2011-07-14 10:18:30 | 日記・エッセイ・コラム

 梅雨が明けました。関東平野の北隅は、背後を上越、甲信の山なみに囲まれて、完全な内陸性の気候地帯であります。全国的に有数の“猛暑の地”です。

  暑き気の こもれる狭庭の 立葵 花序のぼりつめ 梅雨明けを告ぐ  ー夢蔡ー

 「い!!暑いー」と騒ぐのは、人間ばかりのようであります。▼「暑さ~!来るなら、来い~!」と、花びらいっぱいに広げて、自然エネルギーの恵みを飲み込んでおります。梅雨明けには、欠かせない花です。

0719_029  ▲ 中国原産。万葉の時代には、既に渡来。漢名は、蜀 葵 (しょくき)。和名を加良阿布比(からあふい)と名ずける=「唐(から)の葵の意味」(植物事典)

 ▼江戸期には、「ハナアフヒ、ツユアフヒ、タチアフヒ」など、呼ばれて好まれたようです。しかし、今日では、欧米種に押され、庭の植栽に植え込ん出いるのは、殆んど見かけません。どちらかと言うと、田舎道の空き地や、民家の塀の片隅に、十数本が、立ち上がり、派手に花を付けているのを見かけたりします。健気で、たくましく、雄雄しく、美しくもあります。

 ーー連日の猛暑日ーー

  諸鳥(もろどり)は 声もたてずに 朱夏の庭 緑陰ふかく 身を潜めしか  ー夢蔡ー

20110716_012 ▲ 【ノウゼンカズラ】 中国原産。つる性の落葉木。幹は付着根によって、他の木等をよじ登る。高さ10mにも及ぶ。本編の主旨から、暑苦しさを強調。花容大写しを採用。

 漢字では、【 凌 霄 花 】と書きます。「凌」は、〈~をしのぐ、こえる・・〉。「霄」は、〈蒼空、大空〉であることは、申すまでもありません。「ノウゼンカズラ」・・気宇壮大な花ではありませんか。

  荒れ草や 葉先をたるる ‘朱夏’の庭 ー夢蔡ー

  あわてる毛虫 芝芽に迷う  ー伍瑠派ー

   

 

 

 


文月の雑節の誌

2011-07-05 16:10:38 | 日記・エッセイ・コラム

 【 半 夏 正 】 旧暦では、二十四節気を細分化している。雑節という。、「夏至」から11日目、新暦7月2日に当たる。後五日間を含む。「半夏半生」=田植えは、この日までに終わらせないと、稲は実りがたいとわれる。

 雨上がり 白雲ながくたなびきて 連山青く 夏至の日まろく  ー夢蔡ー

  ー梅雨明けはのようですが、関東平野の北辺は、早くも、猛暑日が続いております。沼までの道沿いの田圃は、田植えを終えたようです。

 雨あがり 樹下涼やかに 半夏正  ー夢蔡ー

20110702_025 ▲ 「半 夏 正」(ハンゲショウ)半夏正草」とは、本来は俗称で、「半夏正」の頃に葉が色付くので、この名が一般化したと言うことである。ドクダミ科の多年生草。東南アジアから日本各地の田畑の畦、水辺に自生する。 

20110702_016 ▲ 夏、茎頂にあたる葉の下半部が、白く変色する野草は、昔から人の関心を引いたようだ。江戸期の和名本草では、「片 白 草」(カタシログサ)で登場する(薬草辞典」)。漢名も、「三 白 草」であり、いずれも、葉の変化からの命名で、草容のイメージをよく表わしている。

  白妙の 衣ほすなり 半夏正 ー夢蔡ー

  厚き化粧の 汗に流るる   ー夜蝶ー

20110702_022【半 化 粧】 葉の半分が、おしろいで化粧しているようなので、この名が付いたとか。洒落っ気のある命名だが、流行らなかったようである。

 ▼〈一口メモ〉-ドクダミ科の本草の生葉をつんで塩少々を加え揉み込む。それを、腫れた患部に当てると良く効く・・とか。*同じ科の「ドクダミ」の生葉をもんで、腫れモノに当てておくと、膿を吸い出して治りました。本当です。同じ効果かもネ~。

 ー予定通りに、田植えは終わりましたーー

  「親 子 妻とも 田を植えしまい 神に千歳の種を待つ 」(「近世諸国民謡集」) ▼下の句は、田の神に豊年を願う言葉。「種を待つ」は、「種を宿す(妊娠する)」の意をこめた「実り」への祝言であります。昔の人々は、歌いながら、田を見回ったということです。

  田を植えて 水面静まり 輝きぬ 畝間あゆみて 苗を見守る -夢蔡ー

20110706_013田植えを終えて、早苗の様子を点検する。根付かなかった所へ苗を植え込む。