諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

陽の光 春きざす風

2011-03-07 12:26:19 | 日記・エッセイ・コラム

 時どきの余寒で、春色はまだ整っておりませんが、本日は晴天。川沿いの天神山の雑木林の間をぬい、一つの小路が通っている。そこに暖かい春の陽が差し込んでおります。固い楢の芽もやがてほぐれ始めるだろう。東側の斜面に福寿草が沢山植え込まれていて、今を盛りと咲いています。

   暖かき 陽の一片や 福寿草  ー夢蔡ー

       空のかけらか 犬ふぐりの青   ー花盗人ー

  木漏れ日を 抱き咲きいる 福寿草 ー同ー 

  猫のびやかに 日向に寝入る  ー夢蔡ー

0901_001_2 ▲【福寿草】 東アジアの温帯山野に広く分布自生している。開花時期は2~3月。(植物図鑑)  花の少ない時期に、金色の花を咲かせ、目出度い色なので、別名「元旦草」

  径(みち)あるとも 或はなくとも、眼を伏せて、大地を歩み行くは いと心地よし。

  輝く花よ・・・われとともに太陽や空気のなかで、呼吸する愛らしい静かなものよ、・・・   汝がおとなしき性質を分かち与え、我が心を慰めよ。  ー自然詩人 ワーズワース(岩波文庫)-

 ーー〈・・・・・・・〉ーー

  大きな鯉が淵の表面に浮かび上がって、白い腹を見せて跳ねた。波紋を大きく残して、淵の奥へ消えた。深さは1m程である。春、産卵のため、近くの小さい支流へ入る鯉は、いったんここで数匹の集まりをつくる。

  鯉跳ねて 波紋いくえに 春の川  ー夢蔡ー 

  釣り人や 下萌えはつか 岸に坐す ーゝ-

20110301_009 写真中央・左上の岸には、スパーバック・ペットボトル等の塵が見えます。こうして、自然の1コマを撮っても塵が写りこむのは残念でなりません。

  釣り糸を 流すひと日や 春の川  ー夢蔡

  浮世の塵の 去り行くを見ゆ  ー鴨兆ー

 ▼ 「釣りは道楽の行き止まり」(釣り以上の道楽はない) ▼「釣り好きな百姓は子を餓えさす」 諺では、釣りは余り好意的には扱われておりません。しかし、他の道楽に比べれば、マア~「家内安全」の方ではないでしょうか。

 「釣りすれども綱せず」(「論語」述而篇26)。「釣り糸で魚を取るのはいいが、川い大網を仕掛けて全部獲ってしまうようなことダメ。生きものを根絶やしにするような殺生はいけない」と、孔子は言っております。

  

  


仲春 弥生に入る

2011-03-01 18:34:12 | 日記・エッセイ・コラム

 ~「花に三春の約あり」 花が春になって咲くのは、あらかじめ約束したよう狂いが無い。‘三春’=春の三ヶ月。初・中・晩春 ー-故事ことわざ辞典(東京堂)ー。 ▼ 弥生ー三月となれば、桃の花なのですが、ここら辺りでは、まだ咲きません。代わりに、白梅に続き‘紅梅’が綺麗に咲いております。

 紅梅や 蒼澄める空 咲き騒(そ)めく ー夢蔡ー

 勾配きつき 丘いろどりて  ー青踏人ー

009【紅梅や炎たつごと咲きそむる】(夢蔡ー) ウメ-梅はー漢音Mei,Muiより転化とか、薬用の烏梅と言われている。中国原産、古代に渡来し、九州で野生化。(牧野植物図鑑)

   紅梅の鉢や寝てみる置處 /   紅梅の散りぬ淋しき枕元 ▲ いずれも正岡子規の句です。「草花の一枝を枕元に置いて、それを正直に写生していると、造化の秘密が分ってくるような気がする。」ー子規『病床六尺』ー・

 ハイ、何も解っておりません。不勉強であります。ただ五七調で言って見ただけであります。同じく、紅梅を詠じても、「無理して作ってる~!!!」と言った感じ・・ 「短歌・俳句のカケダシとはこんなものである。」かな!--