真夜深み 燈下(とうか)這いいる 蜘蛛いたり
転生(てんせい)あらば 汝(なれ)は ″カフカ” か 夢 蔡
床に就くと、何かしらの本を開かないと、眠れない癖があります。
しかし、2~3ページでウトウトしてしてたのでしょう。
本のカバーの上を、蜘蛛が這っておりました。ハエトリグモ~
網戸の隙間から、羽虫などが入りますので、それを狙って・・か
取り合えず ----< >----
フランツ カフカの『 変 身 』は、人を惑わせる小説である。
『 ある朝、グレゴール‣ザムザがなにか気がかりな夢から目を覚ますと、
自分が寝床の中で一匹の巨大な虫に変わっているのを発見した。
彼は、鎧のように堅い背を下にして、仰向けに横たわっていた。』
『 変 身 』(高橋義孝訳 新潮文庫)の書き出しである。
カフカは、なぜ変身したかは、全く説明しない。結論もない。
とにかく変身してしまったのである。変身者の生活を淡々と述べる。
家族も、彼の変身を不思議に思わない。妹が世話係である。
チーズは、たちまち平らげたが、新鮮な野菜の方はうまくない。
嗜好が変わっただけである。
ザムザは、生活、仕事先の事など、ただ独白する。そこには、
怒りや悲しみなど、激しい感情の表現などは、一切ないのだ。
なぜ、変身してしまったのか・?
作者は、< 変 身 >の理由を探すこともない。
読者は、この『変身者』の語りかけをなんと理解すればいいのだろう
「読者は、ただ困惑し、自分の気持ちを整理できない。そして、
考えられる限りの様々な解釈を行ってみる。」(訳者 高橋義孝)
不可解な現実とは、かくなるものか
人は、知らず知らずのうちに<変身>してしまっているのだろか。
あるいは、<変身>させられてしまっているのか。
-------<つづく>-------