道野辺の つくしんぼうは つんと立つ
空(うつ)ろの出口 聞いてみたりす 夢蔡
★ 原注 「空(うつ)ろ」につて
空はもと、「穴」の意味であった。以下、白川 静「常用字解」より
穴は中に何もないので、空は「あく、あける、から、むなしい」の
意味となる。ドーム型の穴を大きく拡大して、名詞的用法として、
そら、大空。碧空(あおいそら)。仏教では【空】
▲ 杉菜(スギナ)の胞子茎である。地中のスギナの根っこから、
春の中頃に、地中から顔を出す。言わば、他の植物の【花】にあたる。
スギナは、生き残り戦略として、根を地中深くめぐらした。
地面の変化、気候変動などに耐えぬくためにである。
広島原爆の後、もう何年も草木は、生えないだろうと言われていた。
しかし、最初に、芽吹いたのが、スギナで、人々に希望を与えたという。
-----< 余談ですが・・・・。
最近の農薬=除草剤は、大変に強力である。
葉の上から散布すれば、根の先端まで浸透して、根絶するのだ。
鳥が、種を運んできて、大樹なった木を、根に、電気ドリルで、
穴をあけて、そこから除草剤の原液をつぎ込み、枯死させたという。
豪の者がいるくらいだ。
牛蒡畑の農道わきのスギナ群落を根絶するのは、簡単であった。
農業の様子も、すっかり変わった。「草むしり」は死語となった。
古来の"雑草群落"は、肩身が狭くなってしっまた。
▼ 春分の日 太陽は、真東から昇り、真西に沈む。
土筆野(つくしの)や 日は西山(せいざん)に 光り落つ 夢蔡
--------<了>ーーーーーーー