諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

庭に来る鳥  vol.1 ヒヨドリ

2017-05-29 18:26:28 | 日記・エッセイ・コラム

  鵯のこぼし去りぬる実のあかき  蕪村   

   俳句の世界では、<秋>でありまして、ナンテンやウメモドキ等の色のついた

   実を好むようです。

   野鳥図鑑の写真も、赤いみを啄む姿が代表的です。 

  昭和30年代では、この近郊では見かけない鳥でした。

 「ひよどり」と言えば、昭和20年代後半から30年代の少年たちにとっては、美しい響きの鳥の名で、姿もまた綺麗な鳥と思っていました。そうです。少年絵物語ー源平合戦譚 <義経の鵯越>。吉川英治の「ひよどり草紙」=若き、中村錦之助・美空ひばりの映画の影響でありました。今でも、そのカラーポスターは記憶の底に残っています。

 30年程前に、この生まれ故郷に住居を移した時に、初めて、と言っても過言ではありませんが、「ひよどり」を見た時、少々、ガッカリ致しました。

 マア~、大きなお世話と言う事でしょうが・・・

 1970年代に始まった、過度の開発ブームの結果、市街地へ進出してきたようです。

 ネットで、ヒヨドリを検索すると、その<被害対策>の項目の多さに驚きました。この近郊でも、1月~3月初め頃、出荷のホウレン草・ブロッコリー畑が、集中的に狙われます。我が窓前のはだか欅が出撃基地でありました。

  「御免なさい」・・

 4月春、春もようよう整い始めると、「ひよどり」部隊は解散して、1~2組のひよどりが残留して,営巣するのでしょうか・・。

 ゴールデンウィークで世がざわめくころ、狭庭辺の、<ドウダン=満天星>が満開になりますと、一羽のヒヨドリがやってきて、満開の小花の奥にもぐりこみました。

 観察しておりますと、なんと、満天星の白い小花を、しきりに啄んでおりました。

 10数個ちかく啄んでから飛び去りました。

                      ----------<>----------

 

   鵯しきり 満天星の花 ついばみし 吾も食みたり ほのかに甘し

                                夢 蔡

    

                                                                

                                <2017年5月3日撮影>

    厳冬期には、西側のブロッコリー畑、ホウレン草を,盗み食いをした

   ヒヨドリの群れは、春もたけなわになると、いつの間に姿を消します。

   しかし、毎年のことですが、ひと番(つがい)の=ヒヨドリ夫婦が居残って、

   庭奥の樫の木に、営巣します。この二羽のうちのどちらかが、    

   満天星(ドウダン)の小花を摘むことをを覚えたのでしょう。

   しかし、時々、つまみ食いをする程度で、主食には物足りなようです。

   食いつくす事はありませんでした・・・

 

              ------<了>------

  

 

 


歳月人を待たず・・無為に過ごすなかれ!

2017-05-26 12:36:42 | 日記

 2014年10月以来、故あって、新規投稿を怠っていた。と言うよりも、書くことに集中する事が出来なくなった。

 12月初めに、突然の頭痛に倒れて、そのまま病院へ・・・診断結果は、左肺にできた「小細胞肺癌」で、既に、「小脳」に転移していた。余命6ヶ月。

 手術(脳)~抗がん剤治療~放射線治療の結果は、良好で、余命宣告を受けてから、3年目の今日に至っている。幸いにして、消化器系は丈夫で、食欲旺盛で入院時よりは4~5㎏太ってしまった。

 週に1~2回ほどは、1500~2000m(約1時間)泳ぐことにしている。水中は、浮力があるので、ハードにやっても結構やれる。実は、歩くほうがキツイ。体重増加のせいだって ・・・・

       ーーー< 拝啓 ご無沙汰しましたが >ーーー

 

 庭園に 猿貌をした 岩ありて 無為なる時を 過ごすなと云ふ   

                              夢 蔡  ーーー    

  時々、行く「市民の森公園」は、1周約2000歩ほどの遊歩道がある。その歩道少し進むと、珍しい形の岩を配置した”庭園”がある。

 

  その一角に、この”猿顔”(私だけがそう思っている)の岩石が置かれている。公園に行くと、必ずこの”猿岩石”の前で、しばらくたたずむ。その時の気分で、猿の表情が変わる。こちらが、楽しい気分であれば、猿は笑顔である。重い気分であれば、猿は、仏頂面である。

 大体の治療も一段落して、歩く元気が出てきたころ(06年の春先)に、この岩に久しぶりに会いに行き、カメラに納めた。

 森の木々の芽は固いままであったが・・・・。

 「 ヨウ~  元気 出ましたか。もうすぐ木々の葉が繁りますよ~。一生懸命歩いて、体重減らしましょう。」

  余命宣告を跳ね飛ばしたかのように、体が動きます。晴れたら、草刈りでも

 やろうかナ~

       -----< と言うことで 了 >------