「草木がいやが上に生茂ることを「いやおい」と言ったことにより、“弥生”」と言われております。(「歳時記」による) 今年は、
寒気団が行ったり来たりで、天気が安定いたしませんでしたが、
本日は、誠に、好い日和であります。春の光りが燦々とする中で、草木は生茂り初め、諸々の鳥が、はしゃいでいるように見えます。ーー
菜の花や 朝日仰いで 茎立てり 花は顔(かん)ばせ 競うが如し ー夢蔡ー
▲ 土堤の菜の花に勢いがでてまいりました。もうすぐ、200メートル近い花の回廊が出来上がります。菜の花に近寄りますと、甘い芳香に包まれます。花アブ、モンシロ蝶が、集まり始めました。
ー 岸の菜の花の向うを、“カルガモ”のカップルが、流れに乗って通り過ぎて行きます。
かるがもは 連れ添い泳ぎ 春来(きた)る 川面穏(おだ)しく 菜花は岸に ー夢蔡ー
▲かるーがも【 軽鴨】 マガモ(前掲)と同じくらいの大きさ。雌雄はともに褐色。冬場は、沼で集団生活していたが、春になり、水辺の草地を求めて移動して来た。日本に留まり繁殖すので、夏鴨とも呼ばれる。
ーー樹下の春ーー七草の花ー②ーー
よく見れば薺花さく垣ねかな (芭 蕉) ▲ 路傍、畑地、空地の至る所に自生します。
妹が垣根“三味線草”の花咲ぬ (蕪村)
石段に“ぺんぺん草”や安養寺 (華女) ▲ 種の形からくる別名で、どことなく軽妙な感じの句ができる。
狭庭辺に“貧乏草”の小叢(こむら)かな (夢蔡) *これは、チョッと淋しいか。--
▲ ナ ズ ナ 【薺】 アブラナ科の越年草。冬越しの時、葉は、ロゼット状になり、地に伏す。また、“根生葉”と言う。いかにも、“根性”ありそうである。*学名の一部が、「bursa pastoris」で、“羊飼いの財布”を意味する。種の形からである。
ー地に伏して、春を待ちいち早く開花する。写真白い花の中央部に蕾が次の開花を待っている。下部は既に種である。開花→結実の時間をずらして、子孫を段階的に生えさせる戦略である。
春来れど 耕人は無き 畑は荒れ なずな群れ咲き 三月去りゆく ー夢蔡ー
ーーー了ーーー
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