諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

春雨に草萌える

2012-03-23 18:38:41 | 日記・エッセイ・コラム

  ひともとの紅梅ゆえに来てもみる (いはほ) 粕川公園の紅梅が、盛りになりました。

 午前中は、雲がたれこめて、何時降りだしてもおかしくない空模様。愛犬の朝散歩の用意をしている時、まだ裸木の栗の梢で、鳴きました。「♪~ででっ~ぽうぽう~#」 きじ鳩です。二度ほど鳴きました。雌鳩に“春”の合図を送る声ですーそれから、しばらくして雨になると、飛び去って行きました。

 きじ鳩の 春の時計は 動き初そ)む 試すが如く 低くひと声 ー夢蔡ー    

20120216_008 ▲ き じーば と 【雉 鳩】 ハトの一種。翼の色が、雌の雉に似ている。山鳩、つちくればと。

  ー主に、田園地帯に棲む。また。市街地の公園など人間の生活圏の近くを棲息域にしている身近な野鳥である。ーー

 ー 江戸時代中期の民謡集 「山家鳥虫歌」(岩波文庫)に、次のような歌が収録されておりました。参考までに引用します。

 後世ごせ)を願やれ爺様や婆様 年寄り来いとの鳥が鳴く 

  「年寄り来い」は、山鳩の鳴き声。「 班鳩。つちくればと 古俗の称なり。東国にて、きじばとと称す。--関西にて 『としよりこい』と鳴くといへり。東国にて、ててっぽうゝ~。かかァほうほう~と鳴くという。」 

 いくら民間伝承の民謡だからと言って、今日、このような事を囃していたら、たちまちに、DV,非人道主義者の烙印が押されます。注意しましょう。

 ーー樹下の春ー春の七草ー①ー

  籠(こ)もよ み籠持ち ふくしもよ みぶくし持ち この丘に “菜”摘ます児 家聞かな 名告(の)らさね・・・ ー雄略天皇ー(万葉・巻1-1)

 *意訳 籠と堀り串を持って、若菜を摘んでおいでの娘さん、名前を教えてください。私は霊威に満ちあふれる大和の国の天皇です・・。

 “若菜摘む”は、神事です。七種粥で邪気をはらう行事が、古代中国にあり伝承。転じて、七草の祝、若菜の節。*ちなみまして、七草の花を撮り、順次記録します。

 ー庭の陽だまりに咲く、“はこべ”の白小花をマクロ撮影しました。▼ 花弁が10枚位に見えますが、実際は、五弁花です。咲くとき二枚に割れ、花としての効率をあげる、工夫とか~

20120321_004 ▲ は こ べ 【 繁 縷 】 Stellaria   media  山野、路傍に自生する。葉は卵形で柔らかい、春に白色の小花を開く。鳥の餌または食用に供す。利尿剤にもなる。あさしらげ、はこべら。*Stell (ステラ)は、ラテン語の星

はこべ食む うさぎの赤い 目の光り ー夢蔡

  子供のころ、兎を飼っていた。飼うのは、雌兎で、子供を産ませた。近所の子供たちも、同じことをやっていた。子兎が乳離れををする頃をみはからって、初老の男が、大きい竹篭をつけた自転車で定期的に回ってきた。そして、一匹十円で買い取っていった。雄は、子供を産まないからと、タダ同然だった。(昭和30年頃)

     ーーおわりーー


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