サナギ

最近、体の関節が固くなってきたし、皮膚も茶色くぱりぱりになってきた。

そうか、わては冬型のサナギになりつつあるのだ。

普通、サナギというのは、その中から次にもっと素晴らしい姿が出てくるのだが、

どうやら、わてはサナギが最終形で、元々「サナギ」という生物らしい。

ウナギやったら食べれたんやが、サナギを食うのは勇気がいる。

ちょっと前までは自分は人間だと思っていたが、

部屋の中に植物を置きだしてから、野原と部屋の違いがなくなり、

昨日などは、油かすたい肥というのを入れたものだから、

部屋中肥料のにおいがしてきた。

その刺激で、本来のDNAが目覚めたらしい。

わては、今まで、サナギが夢見ていた世界の中で人間として暮らしていたのだ。