山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

汝を如何せん

2020年06月18日 | 山菜料理
 採ってきちゃったからには、何とかしましょう!ワラビOK。タケノコOK。アオミズ・アカミズOK。シオデOK。ここまで順調。それぞれの素材の美味しさを、結構うまく引き出して料理にしているという感触。そして、今回のラスボスは、
『蕗(フキ)』なんです。
 普通に考えれば、大した手間のかかる相手ではないんです。だけど、その瑞瑞しさに心奪われ、理性を失って採り続けてしまった。持ち帰ってみれば2㎏ある。塩漬けにはちょっと少ないけど、食べるには多すぎる。
 困った。

汝を如何せん

 茹でる所までは終わらせたが、水にさらしてアク抜きして一晩。翌日の勤めから帰ったら皮むきと調理だ。
 帰宅して、コツコツと皮むきを始める。不器用なマタギは、こういう細かい作業が大の苦手だ。しかし、収穫物の山菜や魚に関しては自己責任だ。やるしかあるまい。・・・作業は遅々として進まない。調子に乗って山菜を採りまくった結果がこれだ。折角連れてきたフキをこのペースで下処理していったら、いつ終わるか分からない。ああ、おごれる者も久しからず、「蕗や蕗や 汝を如何せん」などと思っている所に、別の仕事をしていて終わった妻が応援に加わってくれた。
 「嬉しい!ありがたい!!」
はっきり言って、マタギの何倍も手先が器用な妻なのだ。作業スピードは何倍もアップ。約30分で作業が終了した。
本当にありがたかった。「妻や妻や 感謝を如何せん」という気持ちを、「ありがとうね!」という言葉に込めて届けた。
 ここまで来れば何とかなる。あとは、美味しい料理に仕上げるから、待ってておくれ!

  ≪フキの炒め煮≫

 ・フキ300gに酒、醤油、みりん各大さじ2と だし汁1カップ
 ・油を引いた中華鍋で南蛮醤油(小さじ1)とともに炒めてから、上記の調味料を加えて煮詰めていく

水分が抜けてきました


水気が引いたら出来上がり


 前回との違いは、長期保存に耐えられるように辛みを増やしたことと、しっかり水分を飛ばしたことかな。ま、季節柄、せっせと食べなきゃいけないことは確かだけど、できるだけ日持ちさせたいという思いから、こうなりました。

 で、困ったのが残りのフキ。別の調理方法がないわけではないんだけれど、冷蔵庫にはワラビにアカミズ・アオミズにタケノコとワサビなんかも待ちかまえている。これ以上品数を増やすのは厳しい。
 今回は、フキを冷凍庫で保存させて貰うことにします。

残ったフキを


寸切りにして、塩を和えます(約1%)


1食分ずつ真空パックして冷凍庫へ


 蕗や蕗やこれで良かったかな?(コゴミの保存と同じ方法ですけど)

 もちろん、返事は半年ぐらい過ぎないと返ってこないのだけれども、これしかないと考え、しばしのお別れ。

 計画性とか節度みたいな大人びた行動が大事なことは分かっている。でも、無計画でアンバランスな行動に走ってしまったために、自分の首を絞めてしまうことも多々あるんだよなあ。
 そんな失敗を少なくしたいとは思う。だけど、こうして困り果てた結果、人との絆?温かな人情?に触れたり、新しい工夫に辿り着いたりすることも、大事な経験だよね。 
 起きてしまったことは仕方がない。そんなことよりも、その事実を、どう未来につなげていくかが大事なのだ。と、勝手に納得するマタギなのであった。

 マタギよ、思い切って失敗せよ!(あんまり迷惑かけないようにね)

 To be continued!