山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

季節はずれの楽しみ

2020年06月05日 | キノコ料理
 今回、ワラビを少々採りすぎてしまった結果、これまでの保存食事情が動揺してしまった。そのあげくに、図らずも塩漬けの安眠から揺り起こされてしまったのがこの方たち。

知る人ぞ知るキノコなんですけど・・・

 以前、まぼろしのキノコ『エゾハリタケ』というものを紹介したことがあったけど、このキノコもそれに準じるレアものです。この画像だけで分かるとしたら、かなりの ”通” だと思います。
 ちょっと、クイズ大会ね。

 ・タコウキン科(サルノコシカケの仲間)です
 ・触ると色が激変してしまいます(白⇒黒)
 ・真夏に生えます
 ・ブナの古木、その根元にだけ生えます
 ・北国(特に秋田・山形)の『お盆』のご馳走として珍重されています


 これだと分かる人も増えるかな?・・・そうは言ってもスーパーに並ぶキノコではないからなあ。
 まあ、覚えておいて損はないかも。正解は『トンビマイタケ』(通称トビタケ)です。「トンビ」という名称は色から、「マイタケ」の方は形状からきたもの(マイタケと似ている)と思われます(「マイタケ!」と思った方、惜しかった)。とにかく、旬の頃に出逢うと極めておいしいキノコです。
 レアなキノコではあるんですが、1回の収量がすごく多い。

1カ所でこんな感じ(左下のナイフのサイズに注目)

 採ってきたその時に色々な料理をしたり、人に配ったりするんだけど、結局、消費しきれなくなってしまいます。その結果、我が家では、瓶詰めになったり冷凍庫に保存されたり、今回のように塩漬けになったりして保管されているんです。
 さあ、せっかく長い眠りから起こしてしまったトビタケ君。美味しく調理しなければなるまい。

 ポクポクポクポク チ~ン

  ≪トビタケの炒め煮≫

 本格的なシーズンに入れば、別の素材と組み合わせた料理も楽しいのだが、シーズン前に目覚めてしまった君だから、本来の旨みを純粋に味わおうではありませんか。

 下ごしらえ・調理の部

 ・塩漬けだったので1日以上塩抜きをして水にさらしました
 ※普通は、凄くアクが出るんですけど、全然出ませんでした(塩漬け前に何をしたんだっけ?)
 ・繊維に逆らって細切り
 ※大きくなりすぎると固くなるので、繊維に逆らって切ります
 ※今回は充分に柔らかかったので、繊維に沿って裂いた部分もあります

水をぎゅっと絞って

 ・フライパンに油を敷いて、火を通します
 ・酒、醤油、みりん各大さじ2+だし汁100mlを回しかけて炒め煮
 ※トビタケは、ぎゅっと絞って150gあったので、もとは250gぐらい?

味を絡めながら水分が飛ぶまで強火で炒めます


はい、出来上がり!


 見た目は、「可愛い」というキノコのイメージとはほど遠いんですけど、食べてみると、すごく美味しかったです。季節はずれなのに、『旬』の喜びを味わうことが出来ました。
 山菜って保存の仕方によって、味や香りや食感などが少しずつ違ってきます。マタギとしては、保存に当たって色々な情報を集めるんだけど、その中に「トビタケの塩漬けは、今ひとつ・・・」みたいなものもあったんです。
 でも、思い切ってやってみて良かった。このキノコ、塩漬け保存との相性はかなり良いみたいですよ。

 今年の夏もトビタケ採りには行くだろうけど、もし、採りすぎたら塩漬けに決定ですね。
 実は塩漬け前の下ごしらえをどうしたのか、よく覚えてません。何年も前の塩漬けだったからね。でも、その時が来たら確認して、美味しい塩漬けにしたいです。って、今からこんなことを考えるのって、獲らぬ狸の皮算用?
 いいんです。これも山遊びの大きな楽しみの一つなのだよ(遠足前の子ども気分ね)。

 To be continued!