静岡旅行⑪、最後にお邪魔したのが旧鞠子宿(丸子宿)にある丁子屋さん。とろろ汁で有名な茶店である。そもそも鞠子宿は東海道五十三次の江戸から数えて20番目の宿場であり、府中宿と岡部宿の間にある最も小さい宿場と言われている。
歌川広重の版画では今残されている丁子屋の建物とそっくりな茶屋が描かれている。
十返舎一九の東海道中膝栗毛の中でも茶屋でとろろ汁を食べようと店の親父に声をかけるが親父と女房が喧嘩してしまい、摺漕ぎを投げてとろろ汁がこぼれ、滑って転んでしまう、という滑稽な話となっている。ただ、弥次喜多の2人は結局とろろ汁は食べられなかったのだが。
私は掛川ICより東名高速に乗り、焼津IC経由でバイパスを走り、宇津が谷峠を越え、ら右に入る道をいく。川沿いの道は急に懐かし雰囲気になり、版画の茶屋そのものの古民家が現れたがこれが丁子屋である。(ただ、店主が版画の絵のように古民家を改修したのだが。)到着したのが11時45分、駐車場は満杯かと思ったら第三駐車場まであり、無事に停め、店に急ぐ。
先に店に行っていた相方が40分待ちと言ったが、実際は20分程度だった。中に入ると左右に建て増しをしてあり、席数は何と270もある。
店内の廊下を右へ左へ行った奥の部屋に通された。オーダーはやはりとろろ汁、揚げトロも頼む。
すぐにお茶、おしぼり、漬物、刻みネギが運ばれてくる。さらにまずは揚げトロ、とろろをたたみ鰯・海苔・椎茸に付けて油で揚げたもの。シンプルに塩のみで頂くがしっかりと味がついていて美味い。
次に味噌汁、すり鉢に入ったとろろ汁、麦飯、お櫃が運ばれてくる。味付けにわさび塩や醤油もあるが、取り敢えず麦飯にとろろ汁が全部浸るくらい掛け、ネギをふり、混ぜて食べる。
とろろ汁は味噌で味付けされていて味もしっかり、喉越しよく流し込むが美味い。名物に美味いものあり、である。
食べ終わると漬物の大根の麹漬け、特に葉っぱの部分が大変美味い。大根の葉が美味いと感じたのは初めてである。つるつる食べられるが、やはり腹は膨れる。2人で3膳ずつ頂き、満腹に。食べる時間は僅かなもの、回転がいいのもうなづける。飽食の旅行だったが最後はさっぱりと仕上げた。
この後、日本平によるが凄い車の列に諦め、茶畑の写メを撮り、一路東京に。しかし、再び事故渋滞で家にたどり着いたのは午後6時だった。大人数以外は予約不可です。
丁子屋
静岡市駿河区丸子7ー10ー10
0542581056
(旅行期間 2月23日〜25日)