『久我山歳時記』⑳、三月になると同時に急に暖かくなってきた。寒くなる日も混ざっているが、基本的に気温は右上がり。花粉の飛散はともかく、長い寒さからようやく解放される。私は毎年この時期になると京王富士見ヶ丘電車区横の神田川沿いの道を歩く。
久我山駅から少し行くと清水橋が見えてくる。川を見ると水は浄化されているため、泳ぐ鯉もよく見えるし、鴨も泳いでいてたまに競争をしているように見えることもある。
車庫にはレインボー(七色)の電車がならぶが、本日はオレンジ色。温かい風がゆったり吹いていて心地よい。毎年のチェックポイントまで歩く。
小さな陶器製の椅子が並んでるあたりの金網越しに土筆が顔を出している。かなり呆けているのもあるが、まだ出たばかりのものも、地面の土の色と同じため、目が慣れないと見つけにくいが、若葉が生えた場所にはあまり土筆は出ないのである。
オオイヌフグリ、ノボロギク、カラスノエンドウなどが花を付けている。ただ、ホトケノザやナズナ、スミレなどは花を付けていない。
駅を越えて大きなお屋敷に生えている樹にも花が付いている。黄色い花が咲き始めているのがサンシュユである。
まだ、蕾だが、少しずつ大きくなりかけているのがハクモクレン。
通りの突き当たりのお屋敷に生えているいるのがサトザクラ、ソメイヨシノよりかなり濃いピンク色である。寒かった日が嘘のよう、わずか1週間であっという間に春到来を感じさせられた。