大磯は東京駅から東海道本線に乗って初めての町(行政単位として)なのである。確かに品川までは東京都特別区、多摩川を渡り、神奈川県に入ってからは川崎市、横浜市、鎌倉市(大船)、藤沢市、茅ヶ崎市、平塚市と市が続く。大磯駅の駅舎も昔ながらの造りで駅の反対側の里山も少しは開発されたがほぼ昔のまま。
辻堂のように大きなショッピングモールができてまるで変わったのとは対照的である。改札口を出ると安藤広重の浮世絵が飾られており、れっきとした東海道の宿場町である。
駅前には『湘南発祥の地 大磯海水浴場へ』という門があるが、実は大磯は日本で最初の海水浴場なのである。しかし、波が荒く、遭難者が絶えないため大磯ロングビーチが建設されたと聞いたことがある。
駅前の観光案内所に行き、観光マップをもらう。中に入ると3人のおばあさんたちがいたが、この人たちは単におしゃべり仲間みたいでのんびりとしている。
駅前には美しいバラが咲いた西洋館、旧ドーマー邸がある。大正元年に作られたツーバイフォーの元祖のような建築で国の有形文化財である。お茶も飲めるようだが、昼休みだった。
そのまま真っ直ぐ坂を下りていくと国道1号線につきあたる。左に曲がるとすぐに古いお蕎麦屋さん、今は営業をしていないようだが、ここが本陣跡である。
小さな川にかかる三澤橋を越えると道が二股に分かれるが左の旧道の方に行くとかつての東海道の松並木が残っている。
この先の花水橋を越えると平塚市だが、ここで反対方向に向かうバスに乗って旧吉田茂邸に向かうことにした。(以下、次回)