『メトロに乗って』その89。このシリーズも89回目、東京メトロの駅数が179、都営地下鉄が106、これらは重なっている駅もあるのでかなりの駅に降りてみた。今後はこれ以外の地下鉄の駅、横浜地下鉄・埼玉高速鉄道・西武有楽町線なども含めて訪問することにしてみた。今回はその第一弾として埼玉高速鉄道鳩ヶ谷駅周辺を歩く。
鳩ヶ谷は2011年に川口市に吸収されてしまったが、それ以前は人口約6万人の市で蕨市に次いで面積の狭い市、さらに2001年に埼玉高速鉄道が開通して鳩ヶ谷駅・南鳩ヶ谷駅ができるまでは公共交通機関の駅が全くない市であった。
その素敵な名前の由来は諸説あるが、平安時代の書物に『武蔵国足立郡発度郷』という地名があり、これを『ハット郷』あるいは『ハト郷』と呼び、これに漢字の鳩を当てたとも言われている。
埼玉高速鉄道で鳩ヶ谷駅を降りると目の前に松平健の看板が立っていて、日光御成街道鳩ヶ谷宿と書かれている。階段を上がると旧市役所(現在の川口市役所鳩ヶ谷庁舎)となっており、隣接して市民センターも建てられている。
前には北本通り(国道122号線)、その先の里交差点では日光への古道・日光御成街道と交差している。
町歩きはこの里交差点を右に曲がり、少し先を左に入ると見沼代用水路に沿った見沼遊歩道の宮下橋に出る。これを水路に添いながら右に曲がってみる。
見沼代用水路は江戸中期・享保年間に作られた灌漑用水で利根川に源を持ち、行田市から東京都足立区まで15000haに農業用水を提供しているもの。両側には遊歩道が整備されていて今はムクゲと百日紅が満開。特にピンクの百日紅の花が水面に落ちて花筏となっているのは美しい。
その先の吹上橋には欄干の上に子供の像があって可愛らしい。橋を渡ると一里塚の跡がある。
これを左に少し歩くと赤い鳥居が出てくるのでこれをくぐってしばらく行く。すると鳩ヶ谷氷川神社の前に出る。
この神社は鳩ヶ谷宿、辻村、里村の鎮守として1394年に建てられたと言われる。その後、周囲の18社を合祀しており、現在に至っている。立派な本殿にお参りするが、太陽がさんさんと照り付け、汗まみれ。次はさて法性寺と思ったが、あまりに日差しがきつくて国道121号に向かう。遊歩道の途中に水門もあり、なかなか風情がある。
そこから国道121号線まで歩き、慌てて鳩ヶ谷駅に潜り込む。次はもう少し良い時期に来たいものである。