『東京の坂、江戸の坂』その98。今回は都営地下鉄浅草線西馬込駅で降りて池上本門寺を目指す。
西馬込駅の入口は第二京浜沿いにある。川崎方面に向かって歩く。しばらくは左手に都営地下鉄の車庫があり、10分ほど歩いた池上本門寺入口の信号を左折する。
曲がるとすぐにダラダラとした登り坂となり、すぐ左側には本門寺の 寺領となっている。
この道をひたすら登ると『貴船坂上』の信号となるが、これを右折すると一気に見通せるようになり、下り坂となる。昔は貴船明神が本門寺の鬼門を守るため置かれていたが、近くの太田神社に合祀されて今はない。
貴船坂を下りきったら左に曲がるとまた登り坂。しかし、坂は名前がないがきつい坂である。
その頂上から反対方向に下る急坂が『汐見坂』、かつては大森の海や海苔ひびがよく見えたため付けられだもので、いまは海こそ見えないが眺めはいい。
汐見坂の頂上を今度は左に曲がると『蓬莱坂』となる。標識によると『坂の上にある黒鶴稲荷の境内で黒い鶴が捕獲され将軍に献上したところ吉兆と喜ばれた。この縁起の良いことから、蓬莱と坂の名前が付けられた。』とある。この辺りの坂道は幅も広く長い、また登ったり下ったりしているのでとにかく体力がいる。
蓬莱坂を下り、その先を右に行くとまずは太田神社の階段の下を通過、その先には本門寺の塔頭、長勝寺が現れる。その先には藤が見事な洋館があり、これを左に行く。その先をさらに左に曲がると突き当たるがこれを左に曲がると細い坂道となる。
この坂が『めぐみ坂』、これは坂の西側にめぐみ教会があるため付けられたもの。昭和初期まではあけぼの楼という料亭があったため、あけぼの坂とも呼ばれていた。
坂と反対に歩くと池上本門寺の塔頭、妙雲寺、義源寺の前を通って呑川沿いに出る。(以下、次回)