今年も早いもので残りの日数もかなり少なくなった。となれば忘年会、飲み仲間4人で江戸川橋まで遠征ということになった。江戸川橋近くの神田川沿いには『はし本』や『いしばし』といった鰻の名店が多い。今回伺ったのは、その近くで最近開店した『ふくのもと』というお店。江戸川橋駅から5分、飯田橋駅からは11分のところにある。
この店は調理担当のご主人とフロア担当の奥様の2人で店を切り盛りしている。また、メニューは飲み物だけで料理は全てお任せである。
まずは生ビールの小グラスで乾杯。お通しは『あん肝ポン酢』、ワカメとキュウリが添えられ、美味い。
珍味盛り合わせ(牡蠣のオイル漬け、湯葉刺身、牛蒡の煮物、卵焼き、いぶりがっことクリームチーズ、炙りかますのすし)が出てきたところで日本酒に。最初はスパークリング系の自然郷(福島県)の小瓶を取ってみんなで分ける。香りが良い軽めの発泡があてにピッタリ。特にいぶりがっことクリームチーズはナルトのようなぐるぐる巻きになっていてビジュアルでも驚かされた。
次に刺身盛り合わせ(スミイカ、カンパチ、ヨコワ、タイ)となったところで『栄光富士』(山形県)。今回の酒米は美山錦、フルーティな味わいでついつい酒が進む。1合を4人で分けるからすぐ無くなる。
汁物は牛肉とジャガイモ(インカのめざめ)、マッシュルームなどが入っている。汁は牛肉の風味がよく出たしっかりした味付け、肉はホロリとなるほどよく煮えていて中々ないいかにも創作和食といったメニューだが、素材が生かされて、よくできている。これに合わせたのは八反錦の親の八反草で作られた富久長(広島県)、このどっしりとした日本酒は牛肉に負けていない。
焼き物は鱈の幽庵焼き、そしてこの鱈の白子の天ぷら。鱈の身ももちろん美味いが、とろけて熱い白子の天ぷらは最高である。酒は笑四季(滋賀県)、マニアックラブはラベルはもちろん、味も不思議な味わい。
そして、牛はらみのたたき風。塩胡椒してあるはらみに2種類のソース、特に生七味とホースラディッシュが絶妙な味でうちに持って帰りたいくらい。最後は酒屋八兵衛(三重県)、だんだん酒の味がわからなくなってきたが、最後の組み合わせは大変良かった。
締めはキノコの炊き込みご飯。白舞茸の味がご飯に移り、少し加えたごま油が香る。普段はご飯はお代わりしない私も手が出てしまう。また、お椀も美味いし、その蓋の裏の美しさにも感動。料理だけでなく、器へのこだわりもなかなか。
デザートはヨーグルトのシャーベットとプリン。お店からのサービスで木戸泉(千葉県)の古酒、ひね香と酸っぱ味がデザートの甘さによく合う。
この店はワインの取り揃えもあるが、日本酒に変えてワインでもいけるメニューであった。これで大1枚でお釣りがくるコスパの良さにも感動。盛り上げていただいた店に感謝、とても楽しい忘年会となった。
ふくのもと
文京区水道2ー4ー1
0368015339