『メトロに乗って』その53。平塚神社から向かいに渡り、駒込方面に歩くと旧古河庭園に到着する。この庭園は元は陸奥宗光の別宅であったが、大正3年に古河財閥3代目の古河虎之助が譲り受け、周囲の土地を購入するとともにゴシック風の洋館並びに洋風庭園とその周りに日本庭園を配する現在の形にしたもの。
庭園の中に入るとまずは立派な建物に目がいく。建物と洋風庭園の設計は鹿鳴館や東京駅などを手がけたコンドルが担当している。どっしりとした建物の前にはバラ園、さらにイングリッシュガーデンが広がる。現在ちょうどバラの植え替え時期で多数の人が作業中である。
正面の階段を降りるとまずは富士山の溶岩を並べた黒ボク石積み、その先には心字池が広がる。ところどころに色々な種類の石灯籠が配されている。
その先には満開になった白とピンクの梅が10本ほどある。よく見ると枝が揺れているのだが、その犯人はメジロ、梅の蜜を吸おうと悪戦苦闘中。数が数えられないほどが食事中であった。
池の周りを回ると今度は20mほどの滝。タモリではないけど高低差を上手く使った公園である。
そして、また階段を上るとまた洋館の横に出る。寒牡丹も白い花を付けて美しい。
因みに予めの予約が必要であるが、大人800円で内部を見学できるツアーがあるようである。洋風建築と洋風庭園、さらにこれを日本庭園が囲むなどかなり難しい注文に上手く応えた傑作であろう。