『ぶらっと橋めぐり』その8。今回は江戸城外堀に架かる市ヶ谷橋を渡る。場所はJR市ヶ谷駅前で上を外堀通りが通っている。江戸時代この位置には市ヶ谷門があり、寛永年間に初めて架けられた橋である。日中は車の通行が多く、また、橋の途中からは総武線各駅停車の黄色い電車がよく見える。
直ぐ横にもう一つ橋が架かっているが、これは古い水道用の橋で1931年に架けられたというプレートも残されている。水道用の橋のため、通常の橋とは異なり、千代田区側より新宿区側にかけてゆるい勾配がついていて、水道用水が流れるようになっている。江戸時代にはこの2つ先の水道橋駅近くには神田上水が外堀を渡るための大樋(水道管の役を果たす木管)があったが、その現代版である。
『市ヶ谷』の地名の由来は市ヶ谷孫四郎の領地であったとする説と市が立ったので『市買』が市ヶ谷になったとする説などがあるが、この辺りの堀は幅が広く、市ヶ谷橋も長い橋である。
知られているのは橋を渡って右に戻るように下るとある釣り堀。都会でこれだけの釣り堀はここと赤坂見附の弁慶橋の側にある釣り堀くらいであるが、一度皆が通勤している時間にゆったりと竿を下ろしてみたいと考えているのは小生くらいのものか。しかし、それは現実問題、中々難しい、というのは平日の営業は9時半からなのである。