その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

忘れ水

2007年08月16日 | Weblog

忘れ水

***

森の中を歩いていると

決まってある場所に来ると

どこからともなく水の流れる音

二人は耳を済ませて

音の方角を眺める~

でもどこにも水は流れていそうにない

毎回同じような結果になる

今日も水はわれわれに

会いたがっていないのだって~

***

 

 

きっとどこかで・・

忘れ水

野中や木蔭を流れる

誰にも気づかれないような

水の流れを忘れ水といいます

川やせせらぎと呼べるほどでもない

ささやかな流れです

草陰に見え隠れして

途切れ途切れに流れているので

和歌の世界では

今にも途切れそうな恋のたとえによく使われます

野山を歩いていて忘れ水に出会うと

清涼剤のような

ほっとした爽やかさを覚えます

悲しい事件ばかりの新聞の中で

見つけたほっとする記事

時々出会う

名前も知らない笑顔の素敵な人

脚光を浴びるわけでもなく

存在すらも知られてもいないけれど

どこかで当たり前のようにひっそりと

流れているはずの忘れ水

そんな存在が

心のよりどころになったりするのですね

 


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