竜田姫(たつたひめ)
***
車窓を流れる木々を背にして
あなたは本を読んでいた
賢そうな白い額に
一陣の風
知らずに心が
茜に染まる
・・・
***
秋の彩を身に纏う姫君
四季の移り変わりの美しさを愛でる心は
いまも昔も変わりませんね
古の日本人は
秋の美しさを「竜田姫(たつたひめ)」という
女神になぞらえて讃えました
古代中国の陰陽五行という思想では
東は春 西が秋になっています
この思想が伝わった日本の都
大和の国では
東の佐保山が
春の女神の佐保姫
西の竜田山が
秋の女神
竜田姫とされたのです
春をつかさどる佐保姫は
野山を花で埋め尽くし
秋をつかさどる竜田姫は
紅葉となって山や里を彩ります
黄色や赤にと
秋が深まるにつれて色づいた葉は
竜田姫が染め上げた彼女の衣といわれています
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