リンネの分類学へ

ことしは、分類という思想について、もうすこし理解をふかめたいところ。

『分類の思想』というのは、池田清彦(いけだ・きよひこ)さんの本の題名。この本でも、「リンネの呪縛から逃れられない系統分類」という節がある。リンネについては、ウィキペディアの説明があるから、まずは そちらをご覧くださいまし(カール・フォン・リンネ)。

まだ全部よんでないので、書評のようなものは かいてないけど、マークスの『98%チンパンジー―分子人類学から見た現代遺伝学』は名著。この本では、リンネが人類を「哺乳類」にふくめたことについて なぜだろうか?と注意をうながし、「それは政治的ジェスチャーだったのだ」としている。そして論拠として紹介してるのが、シービンガー『女性を弄ぶ博物学―リンネはなぜ乳房にこだわったのか』。この本、しりませんでした…。ちょっと『98%チンパンジー』から引用しときます。
1750年代には乳母の問題が議論を呼んでいた。当時ヨーロッパの中流、上流階級の女性は赤ん坊に自分の乳房を含ませずに、田舎に住む貧しい婦人のもとに送って彼女らの乳で子供を育てた。リンネはこの慣習に反対する運動に積極的に参加した。そしてわが子に母乳を与えるのは母親にとって自然なことで、乳母を雇うのは不自然だと述べて母乳育児の美徳を本に書いた。それまで彼は哺乳類のことをアリストテレスのように四足類と呼んでいたが、それ以降彼は自分の科学的分類を利用してこれを哺乳類と呼び、自分の主張を通した。女性は自分の子供に乳を与えるように姿かたちが作られているのだから、そうするのが正しいことで、家族はそのようにするべきだと主張したのだ。(70ページ)
なんたる恣意的なはなしでしょう。

漢字とか語源がこうなんだから、こうするべき、というのも へんなはなしだが、からだの機能と構造がこうなってるんだから、こうするべきというのも おかしなはなし。まえ、人間の歯だって雑食むきになってるんだから菜食のひとも肉をたべるべき、というはなしもあったけど。あれも くだらない。結局、へんな精神論になるのよな。

ともかく、分類という思想について、リンネにたちかえって考察する必要がありそうだ。それには、まずシービンガーさんの本をよまねばね。シービンガーさんは ほかにも『ジェンダーは科学を変える!?―医学・霊長類学から物理学・数学まで』や『科学史から消された女性たち―アカデミー下の知と創造性』という本もだしてる。いい仕事してますね。

リンネについては、西村三郎(にしむら・さぶろう)『リンネとその使徒たち―探検博物学の夜明け』朝日選書、松永俊男(まつなが・としお)『博物学の欲望―リンネと時代精神』講談社現代新書も。どちらも おもしろそうですね。松永さんの本は、『ダーウィン革命の神話』という翻訳書だけは もってるな。ということで、よんでもいない本を無責任にご紹介。

グーグル:「分類 リンネ」
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