鏡面界 - 魚食系女子の気まぐれ雑記帖

お魚料理を中心に、呑気にまったり、寄り道・迷い道の日々。。

勘八と秋刀魚のお造り

2013年09月30日 | お刺身


初秋の、勘八と秋刀魚。


あっと言う間に、9月も過ぎ去ろうとしています。
ついこの間まで、暑い暑いと騒いでいたのが嘘のように、すっかり秋めいて来ました。
早いもので、今年も、残すところあと3カ月........。


八月の末から大量流通が始まった秋刀魚ですが、今年は、海水温が下がらず不漁だとか。
一カ月たっても価格は安定せず、100円ぽっきりが出て来たと思うと、再び200円台に戻ったり、乱高下が激しいです。

しかし、季節は確実に動いていて、秋刀魚の脂の乗りもグングン進み、たっぷり脂の乗ったものが出回る様になってきました。

今日は、そんな脂の乗った秋刀魚と、今年好調と言われる汐っ娘 ( カンパチのおこちゃま ) のお刺身を味わいましょう。





勘八と秋刀魚のお造り


今日のお造りは、月末の多忙な仕事を乗り切った自分自身へのプレゼントなの。
何はさておき、お刺身があれば御機嫌なわたしなので、これをアテに、たっぷり飲むのであります。(^。^)

カンパチとサンマのお刺身なら、味覚も好対照で楽しめますね!




秋刀魚の刺身の切り方は色々あるけど、今日は飾り包丁を中央に一本入れて切り分けてみました。
この切り方は、鯖で良く使われる切り方ですが、秋刀魚も似た様な青魚なので、似合うと思います。

三枚に卸して、皮を引き、切り分け、すだち をジュっと搾って頂きましょう。




皮下に、白く分厚い脂の層 が確認できると思います。
お彼岸過ぎから9月末になると、急激にこのように脂が乗って来るんですよ。

参考までに、8/28にアップしたお刺身の写真を貼っておきますので、比較してみてください。



8月末から9月上旬の秋刀魚は、こんな感じなんです。
うっすらと脂の層みたいなのは確認できるものの、色も薄くて殆ど脂は乗ってません。

それに比べ1ヶ月後の今日の秋刀魚は、脂の層が分厚く、濃厚。
真っ白でドロドロ溶け出すような脂の乗りがはっきり確認できると思います。
刺身に切ると、包丁が脂でたっぷり滑るほどです。

8月末から9月上旬に秋刀魚が大量流通された頃、多くの料理ブログが秋刀魚のお刺身、料理をアップして
「旬だから脂ののりたっぷり~」→「甘くて美味しい~」を連発していましたが、その頃の秋刀魚は殆ど脂は乗って無いし、甘くもないんですよね。
皆さん、旬だから、「脂が乗ってる」「甘くて美味しい」という連想的なイメージだけで味覚表現をしちゃっているだけだと思います。

脂のたっぷり乗った甘い秋刀魚を味わうのは、今から10月末くらいまでの一カ月です。
以降は、脂は抜け、産地は西日本の方に移ります。

好みは分かれるけど、私が好きな秋刀魚のお刺身は、新サンマの8月末~9月上旬までのさっぱり爽やかタイプのものです。
この時期以降は、塩焼きや煮込み料理などで楽しみ、お刺身はもう味わいません。来年までサヨナラです......。

濃厚こってりタイプの脂の乗ったお刺身を好む人は、いよいよこれから一カ月が食べ時だと思います。
おそらく、この脂の乗った秋刀魚を好む人の方が多いと思います。






秋刀魚は、この一カ月で30本くらい味わい、秋刀魚三昧の一カ月でした。
わたしにとって、秋刀魚のお刺身を味わえるのはこの一カ月だけだと思っているので、一年分食べまくりでした。(笑)
また来年の8月末までの11カ月は、秋刀魚のお刺身とは無縁の生活です。。

そして今日はカンパチのおこちゃま「汐っ娘」もお刺身にしました。
つい先日28センチのを味わい美味しかったので、再び入手です。

今回は、少し大きめの全長34センチ。
トップの写真で分かる通り、サンマとほぼ同じ長さだけど、秋刀魚の4倍くらいの重さはあるわね。(笑)




カンパチは、小さくても美味しいと評判のお魚なんですが、本音を言うともう少し大きい方がカンパチらしい美味しさは堪能できますね。
しかし、この小振りの汐っ娘でも、とても爽やかで、わたしとしては充分な旨味もあるので有難いです。
なにしろ立派なサイズを入手するには、それなりの軍資金が必要ですから。。(笑)

ブリ三兄弟は、分厚く切り分けるのが似合いますが、かなり硬くシコっとした食感のあるお刺身なので、厚さはほどほどにしておきました。
前回掲載の、ブツ切りのとろろ和えが硬過ぎて、アゴがくたびれてしまう程だったので自重しました。(^_^;




今回のお刺身は、捌いて柵取りして一日寝かせて熟成させて味わっています。
少し魚肉に赤味が差してくるくらいが、わたし的に食べ頃だと思ってます。

活きの良い歯触りを求める「鮮度を味わう」タイプを好む人は、活け締めを即食べるのが良いと思いますが、
その状態でも充分な脂の乗りと旨味を備えたお魚で無いと、きついかも。
今回の様なおこちゃまカンパチなどだと、熟成させないと全く旨味を感じられないように思います。


勘八と秋刀魚のお造り、ごちそうさまでした。

では、また!





秋刀魚が小型化する??

山中康裕・北大大学院地球環境科学研究院助教授の研究発表が話題になっています。
海水温上昇の影響で植物プランクトンの増殖規模が小さくなるため、サンマの日本近海への回遊が少なくなりそうだと言われてます。

環境変化、餌の質・量に敏感に反応、影響を受ける魚は、それにより急激に泳ぐ力が弱くなり、
身体も小型化させて生き残りを図るようです。

今世紀末には、秋刀魚の全長は20センチ以下になってしまうという予想が発表されました。
20センチ以下のサンマなんて、まるでシシャモみたいじゃないですか.....。

植物プランクトンの減少は、秋刀魚のみならず魚類の生態系に大きく影響を与えそうです。
その植物プランクトンを食べる動物性プランクトンの減少、その動物性プランクトンを食べる小魚(鯵、鰯など)の減少、
その小魚を食べる肉食の中・大型の魚(マグロ、カツオ、ブリなど)の減少.....。

地球温暖化、地球環境の変動は、今後の食生活に大きな影響を与えそうですね。
環境悪化を緩める事は出来ても、止める事はできないので、遅かれ早かれ、大変な世の中になりそうです。

資源エネルギーの枯渇ばかり心配されているけど、
その前に食糧不足で、植物、肉、魚の減少で、我々人類が大きく人口を減らす事になるかもしれないですね....。



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