ビタミンおっちゃんの歴史さくらブログ

STU48 音楽、歴史 などいろいろ

おっちゃんの世界史の栞 11

2010-06-20 16:24:00 | HKT48 AKB48
(2)古代ギリシア世界 1 地中海文明

〔1〕クレタ文明(ミノア文明) 前2000年頃~前1400年頃

・エーゲ海のクレタ島で栄えた青銅器文明
・伝説上の王ミノスにちなんでミノア文明、ミノス文明とも呼ばれる。
・クノッソス宮殿などの宮殿建設と海洋生物を写実的に描いたフレスコ画が特色
・すべての宮殿で城壁が見つかっていない。
・宮殿の中心部分が「支配者」の場ではなく、中央広場という開かれた空間になっている。
・宮殿は地震で被災したときはすみやかに再建されている。
・宮殿は、農産物を貯蔵するための大きなスペースが割かれており、農産物や工芸品を保管し、必要に応じて各地へ分配する施設でもあった。

・物資の出入りを管理・記録するための記号が必要となり、線文字A(いまだ未解読)と呼ばれる文字体系ができた。

・ギリシア神話によればクレタ島はゼウスの生まれ故郷である。

〔2〕ミケーネ文明 前1600年頃~前1200年頃

・ギリシア本土のミケーネを中心に栄えた青銅器文明
・名称はシュリーマンのミケーネ遺跡発掘によって発見されたことにちなむ。
・武器などの戦争にかかわる遺物や遺構の比重が高い

・宮殿を中心とする物資の出入りを記録するため、ギリシア語を表記するために線文字Aを改良して創られたのが線文字Bである。
・線文字B文書には、歴史や文学、神話などは記録されていない。

・前1200年頃から各地の宮殿が焼け崩壊し、線文字Bも忘れ去られ、文字のない時代となる。
・前1200年頃のミケーネ文明の終焉からポリスが誕生してくる前750年頃までの時代は「暗黒時代」と呼ばれていたが、現在では「初期鉄器時代」という名が使われる傾向にある。

〔3〕前8世紀のルネサンス

・前750年頃、ホメロスの作とされる2つの叙事詩「イリアス」と「オデュッセイア」が誕生する。
・「イリアス」と「オデュッセイア」はもともとは、口誦叙事詩であって、アルファベットの発明とともに文字化された。
・アルファベットは、線文字Bのような書記だけにしか使えない文字ではなく、誰もが自由に使える簡易な文字として普及していく。
・支配者のための宮殿は、神々のための神殿にとってかわられる。

★「イリアス」と「オデュッセイア」
・トロイア戦争をめぐる物語がテーマとなっている。
・「イリアス」はアキレウスの活躍などトロイア戦争10年目の数十日間のできごとが描かれている。
・「オデュッセイア」はオデュッセウスがトロイア戦争後、戦地から故郷のギリシアに戻るさいの冒険譚や息子テレマコスの成長譚などが語られる。

★トロイア戦争
・前1200年頃にギリシア連合軍がトロイに対して行ったとされる遠征であるが、その史実性はなおも議論されている。
・伝承によると、発端は、スパルタの王メネラオスの王妃ヘレネをトロイアの王子パリスが誘拐したことにある。ヘレネを奪還するために、メネラオスの兄、ミケーネ王アガメムノンを総大将として、ギリシア各地から、アキレウス、オデュッセウスなどの英雄たちが集まり、トロイア遠征に向かう。トロイアの城はなかなか陥落しなかったが、10年目、ギリシア軍は巨大な木馬(トロイの木馬)を作り、その内部に兵士を忍びこませ、残りの兵士たちは陣を焼き払い、船で海上へ退却した。翌朝、トロイ軍はギリシア軍の陣地が空になっていることを発見し、ギリシア軍が撤退したと判断し、残されていた巨大な木馬を戦利品として城内に引き入れた。城内では勝利の祝宴にトロイ軍の兵士たちはつぎつぎと酔いつぶれていった。やがて木馬の内部からギリシア軍の兵士が現れ、海上で待機する仲間に合図を送り、城の内外から攻撃しトロイ城は陥落した。