チャレンジ

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話の上手な人になるために

2005-06-07 23:08:44 | コミュニケーション力
 友人のヒロノリは話がとても上手い。アルコールが入るとさらに調子づき、話がとまらなくなる。笑いを取るのが好きなヒロノリの話の中には、過去に何度も聞いた笑い話もでてくるが、ネタがわかっていても思わず聞いてしまう。

 そんなヒロノリの話術の秘密が、劇作家・演出家の鴻上尚史(こうかみ しょうじ)さんの講演を聴いて解けてきた。

 話の上手な人は、話の中で『第一の輪』、『第二の輪』、『第三の輪』という3つの状況を意識し、そこで使われる言葉を巧みに使い分けている。
この3つの輪の話は、演劇の理論からスタートしているらしい。

 『第一の輪』とはスポットライトを浴びた俳優が舞台で話している状況のことで、そこで使われる言葉はいわば「独り言」。
 『第二の輪』とは、舞台に立つ2人の俳優が相手に対して話している状況のことで、そこでは「相手と話している言葉」が使われる。
 『第三の輪』とは、舞台に立つ俳優が観客席の人に対して話している状況のことで、そこでは「みんなと話す言葉」が使われる。

 同じセリフを話す場合でも、3つのどのレベルででも話すことができ、どの輪を意識するかで、その話を聞いている人の受け取る印象は変わってくる。
 
 上手な話しをする基本は、状況に応じた話し方をすること。
たとえば『第二の輪』の状況のとき、自分ともう一人の相手しかいないときには「相手と話す言葉」を使う。
たくさんの人を前にして話す「みんなと話す言葉」や、自分ひとりで話す「独り言」を使うと相手に伝わりにくい。

 状況に応じた話し方ができるようになると、次は状況が変わらないのにあえて「独り言」「相手と話す言葉」「みんなと話す言葉」を使い、それらを渡り歩く。
典型的な例としては『第三の輪』の状況で、そこにいる多くの人達に対して「みんなと話す言葉」を基本的に使いながら、途中でだれか特定のひとりと話したり話す時に使う「相手と話す言葉」を使い、時に「独り言」も使う。これらをはっきりと使い分けることで、話に変化が出て、話に表情が出てくる。単調な話にならず、聴衆が引き込まれる話になる。

 話の上手な人は、『第一の輪』~『第三の輪』の状況にあわせるのか、あえてずらすのかを考えて、それを適切に使うことができる人。そして、これを意識しかんがえることが、話の上手な人になるための第一歩。

 鴻上さんは、声の出る場所を使い分け声の音を変えること、そして「こえの要素」である①声の大きさ、②高さ、③速さ、④間、⑤音色/音質 を使い分けることで、こえそのものの表現を豊かにする方法も教えてくれた。

 そして「表現」を豊かにすることで「感情」が豊かになるということも教えてくれた。

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