WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

統合へ ~JBLとbjリーグ~

2010年04月22日 | 籠球

 日本バスケットボール協会は21日、協会傘下の日本リーグ(JBL)と国内男子プロのbjリーグを統合した2013年度の新リーグ設立に向け、東京都内で両リーグの代表と覚書の調印式を行った。3者は今後、「次世代型トップリーグ創設準備組織」を設置し、新リーグの運営方法など統合に向けた話し合いを進める。
 調印式では、日本協会の麻生太郎会長とbjの河内敏光コミッショナー、JBLの伊藤善文理事長それぞれが調印を交わした。覚書には、今後は13~14年シーズンを目標とした新リーグ設立に向けて積極的に協力し合うことや、両リーグの加盟チームが新リーグに参加できるよう、日本協会とともに真摯(しんし)に対応することなどが盛り込まれている。
 05年11月に発足したbjとJBLは分裂状態が続いていたが、日本協会は08年11月に国内リーグのあり方に関する検討委員会を設置し、統合の道を模索。今年3月の理事会で、bjのチーム、所属選手の日本協会への登録を今年度から認めることを決めていた。

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 bjリーグは、日本協会から脱退した2チームが中心となって発足したプロリーグのため、両者は断絶状態にあり、その確執は激しいものがあった。とくにJBLのbjリーグに対する意地悪には目を覆うものがあり、例えば、wikipediaは次のような記事を載せている。

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 「トヨタ、アイシンなどJBLチームの一部は、bjの選手と一切接触してはいけないという規律もある。またトップ選手の一部は、例えそれまで付き合いがあったとしても、一切の交流を断絶し、手紙やメールへの返信はおろか、年賀状すら受け取りを拒否して送り返すという行動もとっている。さらに青山学院大など一部名門大学ではbjリーグのトライアウトを受けた選手に除籍処分を下す方針も打ち出している。」

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 今度こそちゃんと話をつけてほしい。注目されるのは、ただ統合するのではなく、プロチームのあり方をどのように構想するかである。現在のJBLのように実業団チーム主流では、日本のバスケットボールの発展はあるまい。それにしても「偉大なる言いだしっぺ」と呼ばれるbjリーグのコミッショナー河内敏光氏はなかなかやる男だ。プロ化をもたもたするJBLを飛び出し、日本協会から陰湿ないじめを受けつつもbjリーグを創設して夢を実現した。現在の統合への動きもbjリーグの成功に刺激された部分が大きいことは明白である。その意味でも、河内氏が日本のバスケプロ化の推進役として大きな功績があることは否定すべくもない。賛否もあろうが、大した男だと思う。彼には、プロリーグ統合のために、もうひと働きしてほしい。

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[追記]

この記事については、いくつかの事柄についての私の誤解・思い違いを指摘するコメントが寄せられています。たいへん論理的で公平な視点からのコメントなので紹介いたします。→ここをクリック