ひのっき

あったかくてぐっすりでごはんがおいしくてよかったねうれしいねなんて小さなしあわせ探し雑記

蕎麦切りは食への憧れと情熱の結晶

2017年05月01日 | 絵日記


昼食はかけそばです。
のど越し抜群の蕎麦に絡む鰹出汁の香りと旨味、何度食べでも飽きない最高の取り合わせだと思います。
蕎麦の歴史は深く、1500年前の古墳時代から食べられていたと考えています。
痩せた土地でも育つ蕎麦は、主にこねて丸めた蕎麦掻きの状態で食され、どちらかと言えば飢えを凌ぐための救荒食としての位置付けでした。また粒状でも「蕎麦米」として、米の代用食として山間部で食べられていました。
しかし戦国時代末期、この蕎麦に革命が起こります。
麺状に切って食す「蕎麦切り」の発明です。この蕎麦切り、一番古い記録が信州塩尻にあるという以外起源については謎となっていますが、江戸時代に入り江戸っ子たちのハートをがっちりキャッチ、江戸を代表する美食の地位を獲得していきます。
1200年間代替食の位置付けだった蕎麦が、300年前に突然信州の片隅で名も残らぬ人物の手で日本指折りのご馳走に姿を変えた。
「手に入る食材でより美味しいものが食べたい。」蕎麦を食べると人の食への憧れと情熱に胸が熱くなります。