緑 島 小 夜 曲

春を愛する人は、心優しい人。

無題の雨風景

2007年10月04日 21時58分38秒 | 風景開眼
午後四時。外国語学院の八階。窓を通して、雨の中を眺めていた。
青い池、緑の茂み、木々の緑。世界が雨の白い煙に濛濛としている。緑に囲まれていた外国風講堂。白い柱、赤煉瓦の屋根。詩的な一切。
雨の斜めな糸が風とともに力強く窓から吹き込んだ。裸の壁と接吻するようだった。
「早く早く」ある赤傘の下から、女子学生の甲高い声が聞こえるようだった。それに、移動する丸い赤傘。

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4 コメント

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雨の風景 (中国迷爺爺)
2007-10-05 19:27:33
 ちょっと物寂しい思いに捉われませんでしたか。
 私は秋になるとよく「寂しいなあ」と言って、妻に笑われていました。秋の長雨と言いますが、秋雨はなおさら寂しく思います。「寂しいなあ」と言えば「そうね」と言わないで笑った妻は10年前に逝き、秋になると懐かしく思い出します。
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まされ (向日葵)
2007-10-05 20:20:43
 コメント、感謝いたします。そういえば、そうですね。
 「もののあわれは秋こそまされ」と、古典文法の授業に日本人先生がそう教えて下さいました。
 ふっと、私は藤原基俊の「契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり」を思い出しました。
 いい秋を。
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魯迅公園にも (あじゅんま)
2007-10-07 11:20:27
 大学の向かいにある魯迅公園へは、暇があると散歩に行きます。日中は汗をかくほどですが、夕刻にベンチで休んでいると、ひんやりした風に夏の終わりを感じます。空の色も変わってきました。

 秋来ぬと目にはさやかに見えねども
 風の音にぞおどろかれぬる   
        藤原敏行 (古今和歌集)


 稔り多き秋を念じます。
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うれしい (向日葵)
2007-10-11 12:04:25
 いつもコメントしてくださいまして、とても嬉しいです。藤原家の方がみな上品で美しい和歌をよんでましたね。
 先生もいい秋を。
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