緑 島 小 夜 曲

春を愛する人は、心優しい人。

実習教師

2006年05月11日 13時02分40秒 | 青色思出
小学校二年生の時、初めて実習教師である候先生と会った。当時、先生は延安師範学院の卒業生で、学院の恒例によって、各地方県へ実習に行かなければならないという。
候先生はその中の一人で、とても親切であった。

初めの授業で、先生は簡単な自己紹介をして、私たちに質問をした。
「皆さん、将来何をするつもりですか」
「私は教師になりたい」
「私は科学家」
「私は大金持ちになりたい」
「私、私は、画家になりたい」僕の番になると、自分も聞こえない小さな声で言った。
「大きな声でみんなに言ってください」侯先生が笑顔で僕に言った。
私は先生の顔を見ながら、もう一度言った。
休憩した時、侯先生は僕の隣に座って、親切でこう言った。
「さっきの声がとても大きかったです。絵が好きですか」
「好きですよ。とても」僕は笑いながら、そう言った。
「じゃ、頑張ってね。きっと素晴らしい画家になるだろう」

その後、僕らが候先生といい友達になった。遠足なり、ゲームなり、仮面舞踏会なり、いろいろなことをした。
時間は矢の如し。先生の実習終了日が一日に一日に至った。
それは六月のある午後。私たちは綺麗な青制服を着て、候先生の最後の授業を受けた。
教室の中はとても静かで、平日の悪戯っ子でもとてもまじめにメモを取ったりした。平日なら、終了ベルを鳴らすのを時計で計りながら待つが、その日、ベルが遅くなったらいいなと思った。

16:45、ベルが…
「みなさん、この一ヶ月間、ありがとう。みんなのこと、この一生、忘れられないわ。みなさんもこれから、頑張ってね。さよなら。」
先生の話を聞いて、僕の目に涙が溢れてきた。心の中で、「先生、ありがとう」と言った。

今、候先生はいかがであろうか。たぶん私のことを忘れたであろう。が、私が先生のことをよく覚えている。それは十分でる.
先生、お元気で。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿