緑 島 小 夜 曲

春を愛する人は、心優しい人。

俳句日和(01)

2014年03月01日 22時46分51秒 | 俳句和歌
山桜鐘つく尼の墨衣  枝松洋子

 この句を読む一瞬、鈴木大掘先生の「禅と日本文化」に述べられた俳句と禅との関係が思い出されました。山桜と鐘つくこと、禅の雰囲気いっぱい作り出しました。墨衣の色と山桜の色と、一種の呼応となるでしょう。尼にとって、鐘つくことが日課だと思われ、毎日毎日繰り返してやることこそ、鐘つくその瞬間、山桜の状態と尼の心の有様を推測してみました。散るか満開するか、どっちにしても、禅の精神がいっぱい溢れる句だろうと思います。