緑 島 小 夜 曲

春を愛する人は、心優しい人。

『梅蘭芳』を見て詠める

2008年12月15日 23時25分15秒 | 俳句和歌
梅の枝夢に挿し込む一昔

 先週のことだった。市内にある万達映画館で「梅蘭芳」をやっと見た。十年ぶりの映画館だった。

 運命だったか、或いは偶然的なめぐりあいであったろうか。十年ぶりの映画館で見たのはは京劇大家の「梅蘭芳」で、何よりだった。

 京劇に明るいとは言えないが、小さい頃から今までずっと好きである。特にこの国土に生まれて、生きていることはなんと幸せなことだろう、と私は思う。史上の大事件、大戦争。男女間の純一な恋或いは憧れ。星のように、文明の空に輝いている。振りさけみれば、その光は心に優しく差してくれる。

 注:「梅の枝」は比喩で、京劇においていえば、女形の「指法」の一つで、よく「蘭花指」だと言われる。しかし、「蘭」は冬の季語ではないから、「梅の枝」でその「指法」を意味する。