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少し前に、近所の神社で夏越の大祓(なごしのおおはらえ)で茅の輪くぐりが行われていた。例年だと、この時期はお祭り等あるのだが、今年度はすべて中止。町内の掲示板に、茅の輪くぐりのポスターが張られており、これまでは気にも留めなかったのだが、今年に限ってはコロナウィルス退散の意味を込めてお参りしてみようと思い立った。
神社の拝殿の前に、ドーンと茅の輪が置かれていた。大人一人通り抜けるには少し身をかがめないといけないぐらいかな。
コロナ退散、無病息災を願って、茅の輪をくぐる。そこで、今回初めて知ったのだが、茅の輪くぐりをするにも、くぐり方があるそうだ。
①一礼してから茅の輪をくぐり、左に回る
②再び一礼してから茅の輪をくぐり、右に回る
③また一礼して茅の輪をくぐり、左に回る
④最後に一礼して茅の輪をくぐり、そのまま神前へ進み参拝
つまり、茅の輪を左右に8の字を書くように回るのが正しいらしい。私も作法に従いくぐってみた。
もともと茅の輪くぐりは、「備前国風土記」の蘇民将来説話に由来すると言われる。それは、昔、神様が旅の途中、宿を探していた時に、蘇民将来と巨旦将来という兄弟に頼んだところ、貧しい暮らしをしていた蘇民将来が快く神様に宿を貸してもてなしをした。神様はそのお礼に、腰に茅の輪をつけていれば、疫病が流行した時に逃れられるでしょうといって去っていった。
その後、疫病が地域で流行した時に、蘇民将来の一族だけは、疫病から助かったそうだ。そして、のちにその神様はスサノオノミコトであることがわかったというものである。
腰に付けた茅の輪が時代とともに大きくなり、茅の輪をくぐることで罪や穢れを祓うことができると信じられるようになったらしい。
そういえば、スサノオノミコトは、疫病と大いに関係のある神様で、祇園さん、八坂神社の祭神もスサノオノミコトであった。
茅の輪は、この世とあの世をつなげる結界のようなものなのかもしれない。そう言えば、題名は忘れたが、茅の輪がこの世とあの世を結びつけるものとなっていて、主人公の少年が、早くに亡くなった自分の妹と会う漫画があったなあ。
ちなみに、茅の輪くぐりは、夏越の大祓として行われることが多い。夏越の大祓とは、毎年6月と12月の晦日に天下万民の罪穢を払うことを目的に行われているもので、6月に行われるのを、夏越の大祓という。ちなみに12月は年越の大祓。
夏越の大祓は、今年の前半を無事に過ごせたことに感謝しつつ、半年の罪や穢れを祓い、残り半年を無事に過ごせることを願うものである。
今年も、コロナ禍の中ではあるが、周りにいる人たちが、コロナウィルス感染症に罹ることなく、穏やかに凝らすことができた。そのことに感謝しつつ、残りの半年も、みんなが流行り病に罹ることなく生活できればと思う。
茅の輪をくぐった後は、きちんとお参りをさせてもらった。家内安全、無病息災である。日本国中、すべての人がそうあって欲しいものである。
民俗学者の宮本常一さんの、著書の中で、夏越の大祓、茅の輪くぐりについて、言及している本があったと思うのだが、どの本か見つけることができなかった。気になるなあ。
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