肥宝館 -貧すれば丼する-

【築地】 笠岡ラーメンTAKETONBO「醤油 味玉入り 並(900円)」

岡山発「笠岡ラーメン」公認店が築地に降臨

東京メトロ日比谷線・築地駅の2番出口から徒歩2分ほど。京橋築地小学校の脇道に2021年7月5日にオープンした「笠岡ラーメンTAKETONBO」へ。東京では珍しい岡山県笠岡市のご当地ラーメンが啜れる新店舗である。笠岡市は岡山県西南部、瀬戸内海に面した町で、千鳥・大悟さんが育った北木島もこの市に属している。

笠岡ラーメンの特徴は、鶏ガラ出汁の醤油スープと鶏チャーシューだ。元々、笠岡を含む備中地方は養鶏が盛んで、鶏肉=かしわが安く入手しやすかった。さらに備中手延べ麺など製麺業も盛んで、この2つが出会い庶民の味が生まれたのだ。戦前には笠岡市街の食堂の多くで、かしわ入りの中華そばが提供されていたそう。

20世紀には知る人ぞ知るご当地麺だったが、地元有志が「笠岡ラーメン」の味の伝播に努め、2009年には「ラーメンのまち笠岡全国展開プロジェクト」を旗揚げ。徐々に「笠岡ラーメン」の知名度は上昇。そんな中で「TAKETONBO」は笠岡商工会議所の「笠岡ラーメン」商標使用許諾書を引っ提げ、公認店として東京で創業したのだ。

前置きが長くなった。「TAKETONBO」の店内はカウンター9席と2人がけテーブル3卓の15席。麺メニューは醤油と塩のラーメンの2種のみで勝負する。味玉、メンマ、鶏チャーシュー、九条ネギを追加トッピング可能だ。また、サイドメニューにはライスと焼餃子も用意している。今回は「醤油らーめん」の並を味玉入り(900円)で注文した。

待つこと5分程で、淵に蜻蛉をあしらった丼が到着。鶏ガラ出汁の醤油スープ、豚ではなく親鳥(かしわ)チャーシューとメンマとネギがのった姿が、オーソドックスな笠岡ラーメン。スープは親鶏と魚介から抽出した出汁に、コクのある醤油のカエシを重ねている。基本はアッサリではあるが、表面に浮かぶ鶏油のコクも加わり旨い。

麺はカネジン食品特注の中太麺。小麦の香りが強く、モッチリとした食感でスープとの相性も抜群だ。チャーシューは岡山県産「森林どり」の胸肉を低温でしっとり仕上げた物と、親鳥を醤油で煮たコリコリと歯応えのある物の2種。味玉には、旨みが強い「マキシマムこいたまご」を使用し、黄身をトロっとした状態に仕上げている。

ほか、香りが良く甘味のある九条ネギ、メンマが乗る。鶏の旨みを存分に楽しめる一杯、あっという間に完食した。なお、先にも触れたが、千鳥・大悟さんの出身地だけあって、店内のテレビモニタでは「相席食堂」のDVDがエンドレスで流れている。千鳥のお二人の勢いに乗って、東京でもぜひ「笠岡ラーメン」が広まって欲しい。

<店舗データ>

【店名】 笠岡らーめん TAKETONBO
【住所】 東京都中央区築地2-14-3
【最寄】 東京メトロ日比谷線「築地駅」徒歩2分

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