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肥宝館 -貧すれば丼する-

【新潟 西燕】 杭州飯店「中華そば(800円)」

燕背脂ラーメンの代表格「杭州飯店」

煮干し出汁、太麺、背脂というスタイルの燕背脂ラーメン。その元祖は2007年に閉店した燕市の「福来亭」だ。創始者で中国出身の徐昌星氏は昭和9年に屋台からスタート。その後、二代目の徐勝二氏が独立し、杭州飯店を開店した。

本来、杭州飯店は福来亭とは差別化をはかり、ラーメン専門店ではなく、宴会も出来る中華料理店として開店したそう。しかし福来亭の閉店を経て、いまでは「杭州飯店こそ元祖の味を受け継ぐ店」と認知され観光客も多く訪れる。

燕三条駅からJR弥彦線で2駅の「西燕駅」が最寄。雪国特有の『融雪装置』で鉄分を含む地下水を撒いているため、サビが広がっている道路を歩くこと10分。町工場、水田、住宅を抜け、杭州飯店のビルがみえてきた。

厨房が覗ける席から、10人ほどいる店員さんを観察。次から次へと訪れる客をテキパキと捌き、中華そば、餃子などが店内を飛ぶように運ばれていく。房が大きい餃子も定番の人気メニューだそうだが、ここからの連戦に備え断念。

さて、待望の着丼。背脂と脂膜に気分が昂ぶる。甘味があり良い脂だ。スープはこれまで食べてきた燕背脂ラーメンに比べ、煮干しの香りと味は控えめ。動物系の出汁の存在感が強めだが、しつこさはなく旨味も十分。後引く味付けだ。

自家製という麺は他店に比べ更に太く平たい。柔らか目の食感はウドンのようで、小麦の旨さが存分に味わえる。まるで鍋焼きウドンを食べているかのようだ。二郎風に言うと「ラーメンではなく杭州飯店という食べ物」なのだろう。

スープを飲み干して気付いたが、丼が「杭州飯店」と「福来亭」のダブルネームになっている。厭らしく解釈すれば「我こそ直系」という宣伝なのだが、これはかつて共同購入したからだと聞く。歴史とオリジナリティを感じられる良い一杯だった。

<店舗データ>

【店名】 杭州飯店
【住所】 新潟県燕市燕49-4
【最寄】 JR弥彦線「西燕駅」徒歩10分

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