三条カレーラーメンの元祖「大黒亭」
新潟には5大ご当地ラーメンがあると言われる。全国的に有名なのは長岡の「生姜醤油」と燕の「背脂」だろうか。ほか、新潟濃厚味噌、新潟アッサリ醤油、そして今回啜った「三条のカレーラーメン」の5つである。その発祥については諸説あるが、北三条駅徒歩6分にある創業1933年の老舗「大黒亭」が元祖といわれている。
ここ本店のほか、現在は松屋小路店、居島店と3店舗を展開。全国的には、メディア露出が多く、カレーラーメンの普及に貢献した「大衆食堂 正広」の知名度の方が高いのだが、今回はあえて元祖詣でを。自宅を兼ねた店舗は近年建て替えたようで外観は新しいが、看板と厨房は古いままで歴史を感じる。メニューの短冊もいい味出してる。
メニューは「カレー中華」のほか、普通の中華そばや焼きそばも提供。カレー中華は「あくまで選択肢のひとつ」という感じだ。さて、そのカレー中華。具材が豚肉とタマネギのみで非常にシンプル。鶏ガラと魚介ベースのスープに、スパイス控えめながらもタマネギがたっぷり溶け込んだコクのあるカレーを合わせている。
カレーの風味が前面に出過ぎないバランス。麺は驚くほどに柔らかく、トロみの付いたスープをよく拾う。麺が柔らかい上、辛さも抑えていて優しい味なので、広い年代に愛されているのも納得だ。隣卓の男性2人組は「ものづくりの町」らしく着丼まで車の部品談議。観光客皆無の店内で三条市の雰囲気を十分に堪能できたのも嬉しい。
<店舗データ>
【店名】 大黒亭 本店
【住所】 新潟県三条市本町6-1-3
【最寄】 JR弥彦線「北三条駅」徒歩6分