老舗製麺所が手掛けるモダン中華会席
東京メトロ日比谷線・広尾駅の1・2番出口から歩いて2分ほど。木下坂で2012年5月11日から営業する「広尾はしづめ」へ。コチラは品川区東大井に本社を置く1949年創業の老舗「はしづめ製麺」が運営するお店である。得意の麺に加え季節の素材を使った中華料理を提供する高級ラインの店舗を広尾と青山で展開しているのだ。


昼は2~3000円の価格帯で担々麺、つけ麺などを用意。夜はコース料理に加え前菜、点心、一品料理、麺料理、デザートのアラカルト、旬の食材を使った季節のメニューなど様々楽しめる。玄関は階段を上がって2階に。落ち着いた店内は広々とした木のL字カウンターに6席と、テーブルで8席。さらに店奥にも個室を用意している。
レギュラーメニューだが、前述の通り夜はコースがメインで、小鉢、前菜、点心、炒め物、麺、デザートの6品で8,800円の「カジュアルコース」と、フカヒレ煮込み、蒸し鮑、黒毛和牛ロース、スペシャル麺など上質な食材を使った14,300円の「おすすめコース」の2種がある。スペシャルコースは前々日までに事前予約が必要だそう。


さらに前菜、点心、一品料理、麺料理、デザートは、価格帯はアッパーだが、それぞれアラカルトでも注文可能で、前菜には青ザーサイと季節野菜の和え物、香港式ピータン、台湾腸詰の炙り2種ソース、よだれ鶏、特級クラゲのネギ油和えが。点心には台湾風サッパリ水餃子、小籠包、干し貝柱たっぷり焼売、北京ダックを揃えている。
また一品料理にはフライドポテト、鶏の唐揚げ、まこも茸のからすみ炒め、陳麻婆豆腐、豚ヒレ肉と彩り野菜の黒酢酢豚を用意。また主役の麺類は、やさしいお出汁のかけ麺、蒸し鶏と千寿葱の温麺、粗挽き肉味噌の担々麺、刀削麺の汁なし担々麺、海老とパクチーのアジアンスープ麺と、実に多彩なラインナップである。


そして、これらレギュラーメニューとは別に月替わりメニューも多数揃えており、春竹の子と桜えびの香り炒め、穴子の揚げ物オリエンタルソースをはじめ、葉玉ねぎ、春キャベツ、フキ味噌、ワカサギなど旬の野菜や魚介類を使った料理が並ぶ。酒類もビールはもちろん、紹興酒や世界のワインとのペアリングも楽しめる。
今回は「カジュアルコース(8800円)」を頂くことに。コースは先付け小鉢のチャーシューと菜の花の和え物からスタート。続いて前菜の盛り合わせが。押し豆腐と春菊の四川和え、ブルーチーズのお豆腐仕立て、青ザーサイと季節の和え物、よだれ鶏、海老の焼き物が乗っており、どれも丁寧な仕事とアイディアが光る料理ばかり。


点心は海老入りの春巻きと北京ダックの2種。まさか北京ダックまで味わえると思っていなかったので嬉しい不意打ちだ。花びらの形の器に盛り付けられた海老と季節野菜の炒め物も、野菜の油通しが上手くシャキシャキで風味が良く、適度に黒胡椒も効いており美味である。そしていよいよ、お待ちかねの麺料理「ふかひれ麺」の登場である。
さすが製麺所。中華麺、緑野菜、ごぼう、生姜、山椒、平打ち刀削麺と6種類の麺から選べるという。今回はふかひれに合いそうなイメージだったので生姜でお願いした。トロミあるスープと生姜が香るやや加水率低めの中細麺の相性は抜群。ふかひれがたっぷりと使われているのも嬉しいところ。特別な一杯に仕上がっている。


コースを締めくくるのは黒糖を乗せた杏仁豆腐だ。杏仁のさわやかな香りと黒糖の甘味とコクが重なり美味である。コースを通して様々な食材で楽しませてくれた。さらにお店を出る際にお土産として「はしづめ製麺」のうどんを頂いたのだが、これも後日自宅で啜ったら美味しかった。麺好きの方との会食にはもってこいである。
<店舗データ>
【店名】 広尾はしづめ
【住所】 東京都港区南麻布5-16-10
【最寄】 東京メトロ日比谷線「広尾駅」徒歩2分