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肥宝館 -貧すれば丼する-

【香川 小豆島】 小豆島ラーメン HISHIO「醤そば 島めし付(880円)」

醤油の島の絶景と共に啜る醤油ラーメン

香川県の高松港からフェリーで60分。瀬戸内海に浮かぶ小豆島へ。小説「二十四の瞳」の作者・壺井栄の故郷として知られるほか、近年は瀬戸内国際芸術祭も人気である。また、紅葉が見事な国立公園「寒霞渓」、オリーブオイルの「井上誠耕園」、ゴマ油の「カドヤ」、生麺が人気の「手延べ素麺」など、観光資源は多い。

さらに小豆島は400年の歴史を誇る醤油の名産地でもある。最盛期の明治時代には、島に醤油醸造所が400軒。現在も最古参のヤマサンをはじめ、マルキン、ヤマロク、金両など20軒以上の醤油蔵が軒を連ねていて、その醤油を使った佃煮の工場も多い。せっかくなので、その醤油の島で醤油ラーメンを啜ってみたい。

訪れたのは西部の土庄町にある「小豆島ラーメン HISHIO」。海側のテラス席からは、干潮時にのみ海中から現れる砂の道「エンジェルロード」を望むことが出来る絶好のロケーションだ。なお、店名のHISHIOは「醤」と書く。まさに醤油やモロミ、佃煮に焦点を当てていて、小豆島のほか岡山県内に3店舗を展開している。

ラーメンは醤油スープの「醤そば」、塩清湯の「島そば」、辛味入りの「HISHIO RED」の3種類。そこにチャーシュー、煮玉子、ネギ、モヤシ、野菜盛と、小豆島産のスサビノリをトッピングできる。また麺の替玉は「心ゆくまで」との粋な計らい。今回は醤そばと佃煮とイリコ節の乗った「島めし」のセット(880円)をオーダー。

茶濁したスープは小豆島の内海湾で獲れた片口鰯と大量の野菜からとった出汁に、ヤマロク醤油のカエシを使用。片口鰯の香りは強すぎることなく、大量の野菜のおかげで濃厚でマイルドな飲み口に仕上がっている。合わせる麺は、博多豚骨ラーメンの様に加水率低めの中細ストレート麺で、柔らか目の茹で上がり。コシがあり旨い。

食べ進めるにつれ、丼の頂にトッピングされた「熟成もろみのオリーブ煮」を少しずつスープに溶いていく。オリーブの香りは薄っすらという感じではあるが、スープのコクが増して、また違った表情を見せるのが面白い。ホロホロのチャーシューも、醤油でしっかり味付けされていて良い。あっという間に啜り終え、思わず替玉。

一方、プラス100円で付いてくる「島めし」は、少し麦の混じったライスに昆布とワカメの佃煮、イリコ節が乗ったもの。佃煮の甘辛さとイリコの香ばしさがクセになる。海風に当たりながら掻き込むと、また格別の旨さである。テラス席からエンジェルロードを観たい場合は、干潮の時間を調べてから行く事を忘れぬように。

<店舗データ>

【店名】 小豆島ラーメンHISHIO 小豆島エンジェルロード店
【住所】 香川県小豆郡土庄町甲24-18
【最寄】 土庄港より徒歩30分ほど

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