元ラーメン屋店主のツイート集

ラーメン屋を10年経営し、今は閉店し、介護士をしています。

ちゃぶ屋 森住康二さん

2006年04月02日 | ラーメン総合研究所
「どっちの料理ショー」~ラーメン三国志を
見るまで全く注目していなかったラーメン職人
ですが、あの番組で森住さんも尊敬する1人に
なりました。

最近、「ちゃぶ屋」系列で、ラーメン・フルコース
5500円~を出していて話題を集めていますが、
「中村屋」と同じく、ラーメンの既存スタイルを
崩し、ラーメン高級化をされています。

確かな技術と、柔軟で豊富なアイデアを持っている
彼らが、高級懐石蕎麦みたいに、ラーメンの格を
上げてくれるのだと思います。

近未来のラーメンは高級、大衆の二極化がされると
思いますが、僕は高級、厳選素材などには手を出さず、
品質はいいが普通の素材で大衆店をやっていきたいです。

でも森住さんみたいな職人さんからは影響を受けます。

森住さんは15歳の時に調理師専門学校で料理の勉強
を始め、16歳からホテルでコック見習を始めました。
先輩料理人から「ちゃぶや」(手抜き、下手、いい加減な
料理をするという意味で見下すときに使う用語です)
と言われ続ける日々でした。でも、持ち前の器用さと、
真面目な性格から、仕事を覚えるのが早く、沢山の
ホテルを転々としながら料理の技術を磨いていきました。

独立し店を持つために、高収入の車販売のサラリーマン
生活を始める。

その後、あるラーメンチェーン店のスーパーバイザーと
し本部勤務をする。フランチャイズ・チェーン店を抜き打ち
視察した際に、厨房の汚さ、挨拶の悪さ、調理、店内の
レイアウトが気になり、改善させる事により売上を倍増
させた。こうして、着々と各チェーン店の売上を伸ばして
いった。

そのチェーン店の中に、立地が悪く、店内が汚く、やる気が
全く無いオーナーがいて、数日にわたり研修をしたら、その
オーナーは逃げてしまった。森住さんは、その店舗を格安の
居抜き物件で譲り受け、独立開業をした。

魚介の旨味を豊富に含んで、キレのある味にする為、塩分濃度
が高い醤油味を試作をしてみた。塩カドに悩み(僕も塩カドに
は散々苦しめられました。誰でも一緒です)行き詰まって
いた時、誤ってスープを濁らせてしまった。でも、そのスープ
と特注麺で食べてみて、ようやく開業にこぎつけられた。

内装工事を自らして1996年6月25日「ちゃぶ屋」を開業。

新米コックの頃に「ちゃぶや」と言われつづけた悔しさを忘れ
ないように、「ちゃぶ屋」と命名した。

開業から1年経っても閑古鳥が鳴いていて、限界を感じた。

死ぬ気で寝ても覚めてもラーメンの事ばかり考えて、この1年
がどれだけ雑な仕事だったのかと痛感し、奮起した。

材料や調味料にもこだわり、研究の日々が続く。

「ちゃぶ屋」の個性的な具、揚げエシャロットも、この時期に
思い浮かんだ。

ラーメンフリークを中心に話題になり、数々のマスコミから
依頼が続き、店の知名度はどんどんと伸びて、開業から2年で
商売が軌道に乗っていく。

2001年6月30日に音羽に移転する際に広い製麺室を作り、
自家製麺に切り替える。

2002年TV番組「TVチャンピョン、ラーメン職人選手権」
で優勝し、ラーメン界屈指のラーメン職人へとなった。

ラーメン三国志

2006年04月01日 | テレビ番組
先日放送されたTV番組「どっちの料理ショー」
~ラーメン三国志~を見て(ビデオに録画し、
2回見ました)森住さんの製法、こだわりに
感銘を受けました。

皆さんも知っての通り、「どっちの料理ショー」は
キッチン・バトル・バラエティ番組ですが、味の
評価で勝者を決める番組ではありません。

工程、材料、プレゼンテーションをゲストが判断し
多数決で勝者(ゲストが食べれる物)が決まります。

「料理の鉄人」みたいに、時間勝負、味勝負ではない
し、判定員も大半はタレントで、専門家じゃないです。

今回は、大崎さん、石神さんのラーメンフリーク界の
頂点(ラーメン王)の二人がいて、芸能界でラーメンに
うるさいロンブーの敦、勝俣(元チャチャ)がゲストだ
ったので、その人達の判定だけを気にして見ていました。

ただ、ラーメンは庶民の食べ物だし、皆好きな食べ物だか
ら、ラーメンフリークが好む物より、大衆受けする店を
選ぶ意味では、判定員が専門家じゃないタレントの方がい
いのかもしれないです。


ラーメン三国志は、前回の「麺屋 武蔵」 VS 「中村屋」
~ラーメン巌流島の続編です。前回は「中村屋」の斬新で新ラーメン
製法のオンパレードが負けて、色々とやりすぎる感があった
「麺屋 武蔵」が勝利し、今回は「麺屋 武蔵」に挑戦状
を出す形で「なんつっ亭」の古谷さん、「ちゃぶ屋」の
森住さんが参戦しました。

それぞれに思考を凝らしたラーメンだと思います。
でも「麺屋 武蔵」は、「麺王」(ラーメン対決
番組)の時と同じく、懐石料理みたいな手法の具をゴチャ
ゴチャ乗せて、後半は「なんつっ亭」 VS 「ちゃぶ屋」
みたいな対決でした。

「なんつっ亭」は、ラーメンをラーメンらしく作り、特別
な事をやらない(イノシシの骨、肉は、他店でもやっている
ので珍しくない)スタイルが潔く気持ちいいです。

「ちゃぶ屋」は高度な技法と、繊細さ、綿密さ、ラーメンに
対する姿勢は圧巻でした。「麺屋 武蔵」みたいに派手で
分かりやすい目新しさではなく、計算されつくした超絶技巧
には頭が下がります。出来上がったラーメンも、生唾を飲む
程美味しそうでした。僕なら絶対に「ちゃぶ屋」に投票しまし
た。