渡辺一夫 びいどろ学士 －戎衣の若き友に－ 1944

　セルバンテスの短編を引きながら、その剛直な精神と苦悩が西欧の歴史になかのうめき声として、東京大空襲当時の我が国の精神状況と二重写しになる。

Reference
　渡辺一夫　びいどろ学士　－戎衣の若き友に－　ちくま日本文学全集　1993

渡辺一夫 月に吠える狼

　ラブレー研究などで知られユマニスムの意味を問い続けた彼に、このような言葉は珍しい。穏やかで平易な言葉で深く確かな思想を語る常の彼の文章とは異なって、当時（昭和18年11月）の時代精神に対する彼の感情と信念が生々しく伝わる。

Reference
　渡辺一夫　月に吠える狼　ちくま日本文学全集 1993