平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

耐震偽装のその後

2006年03月29日 | Weblog
例のマンションやホテルの耐震偽装問題はどうなったのでしょうか。民主党の偽メール事件の陰に隠れて、ほとんど報道されなくなってしまいました。

マンションの入居者が今でもたいへんな苦しみを味わっていることはもとより、耐震強度が不足する病院や学校がほかにも存在するかもしれないというのに、興味本位にそのときどきの目立つニュースだけを取り上げ、持続的な問題のほうは忘れられているようです。

〇ごみ固形燃料化施設で耐震強度不足
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 姉歯秀次・元1級建築士が構造計算に関与し、耐震強度不足があった御殿場市・小山町広域行政組合のごみ固形燃料化施設「御殿場・小山RDFセンター」。姉歯氏の関与から耐震偽装が疑われたが調査の結果28日、フジタの設計図面作成時の連絡ミスという初歩的なミスが強度不足の原因であることが明らかになった。【鈴木英世】
 ◇市長「共同体に怒り覚える」
 組合管理者の長田開蔵・御殿場市長は「欠陥ともいえる施設を建設した企業体に対し、驚きとともに怒りさえ覚える」と述べた。今回の調査は構造設計書類に姉歯氏の名前があったことから始まった。これについて長田市長は「姉歯氏(の名前)に気がつかなければ欠陥施設のまま運営されていた可能性がある。企業体としてあってはならないこと」と建設したゼネコン、フジタ(東京都渋谷区)を批判した。また、県の建築確認検査で設計図面の耐震強度不足が見逃された点について、副管理者の長田央・小山町長は「県にもある意味責任がある。県も含めて確認の体制を変える必要がある」と述べた。
 ◇補強工事は1カ月で終了
 施設の今後について長田市長は「今すぐに建て直してもらいたい」とした上で「ごみ処理は一時も休むことができず、(同センターは)不可欠の生活施設」として、共同企業体の補強工事申し入れを受け入れ、早急に行うことを明らかにした。工事は筋交いの補強や追加などで、同日午後からごみ受け入れを停止して開始。29日からは通常通りにごみを受け入れる。補強工事は施設を稼働しながら可能で約1カ月で終了するという。
 また組合は、トラブルが相次ぐ同センターを巡り、共同企業体に約82億円の損害賠償を求めて係争中だが、今後の対応について長田市長は「関係者、弁護士と相談して決めたい」と話した。フジタは「復旧に全力を傾けていく」と裁判への言及を避けた。
 ◇「想定範囲超える」、強度不足見逃しを釈明--県
 一方、県は28日、会見し、「構造計算書と、それに基づいて作成する設計図に不一致があった」(酒井章次・建築確認検査室長)と原因を説明した。しかし、「不一致が意図的だったかとの確証はない。現段階では偽装と断定できない」との見解を示した。
 同センターの建築確認は95年に県が行っており、県は姉歯元建築士が関与した掛川市のホテルに続き強度不足を見逃したことになる。県は同センターの強度不足を見ぬけなかったことを認めたうえで、「通常は一致する構造計算の1次設計と2次設計の数値が異なっており、想定範囲を超えていた」と釈明した。
 確認機関としての県の責任については、「国の方針や全国的な係争の動向・結果などを見ながら、確認機関の責任の度合いが明確になった時点で判断したい」と述べた。【増田博樹】

3月29日朝刊
(毎日新聞) - 3月29日11時1分更新
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060329-00000024-mailo-l22

これは意図的な偽装ではないようですが、結果的には耐震強度不足になってしまいました。

また、3月はじめに北海道で、姉歯物件以外にも耐震偽装が行なわれていたことが発覚しました。これは2級の資格しかない建築士が、1級しかできないマンションの設計をしたものです。

この設計士に設計の下請けをやらせていたのは、北電総合設計という設計事務所ですが、その名の通り、この事務所は北海道電力の系列会社です。北電総合設計は、設計士が2級であるということを知りながら、1級しかしてはいけない設計をやらせていました。つまり法令違反の手抜きです。
http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2006/week10/index.html

北電総合設計は泊原発の設計もしています。泊原発は、札幌から車で西へ2時間半くらいのところにある北海道唯一の原発です。マンション設計で手抜きをした会社は、はたして原発設計で手抜きをしなかったのでしょうか? 

浜岡原発の強度不足は有名です。日本各地の原発の強度ははたして名目どおりなのでしょうか? 原発の問題には、原子力そのものの問題もありますが、建築の手抜きという問題もあるのです。