平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

BSE問題のその後(3)

2006年03月20日 | Weblog
〇3月17日、長崎県で肉牛がBSE
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 厚生労働省は十七日、長崎県壱岐市で飼育されて同県佐世保市の食肉加工場で処理された肉牛(黒毛和種)一頭が牛海綿状脳症(BSE)に感染していたことを確認した、と発表した。国内二十四例目、九州では二例目。これまでの二十三例はいずれも乳用種(ホルスタイン種)で、肉用種としては国内初。食肉などは焼却処分となるため、同省は「市場への流通はない」としている。

 BSE感染が確認された牛は、壱岐市内の畜産農家で生まれ、繁殖用に飼育されていた十四歳一カ月の雌。今月二日に立つことができなくなり、その状態のまま同九日に子牛を出産。同十三日に食肉用として加工場に搬入された。しかし、BSE対策に基づく佐世保市食肉衛生検査所の一次検査で陽性と判定され、国の二次検査でも陽性と判明。十七日開かれた厚労省の専門家会議で最終的にBSEと診断された。

 今回の牛は過去十頭の子牛を産んでおり、それらが食肉になった可能性はあるが、専門家会議の品川森一座長は「海外でも母子感染例はなく、子牛が感染した可能性は小さい」と指摘。厚労省も「全頭検査を通じ、感染牛は今回のように的確に発見できており、国内の食肉の安全性に対するリスクはない」と話している。

 一方、BSE対策を担当する農林水産省は「国産牛の安全対策はほぼ完成しており、黒毛和種もホルスタイン種も安全性に差はない。消費者の理解も深まっており、冷静に対応してくれるはず」と強調。長崎県などを通じて農家や飼料会社に飼育状況などの聞き取り調査を行い、感染経路の解明を進める方針だ。

 BSE感染経路に関し同省は、過去二十三例のうち七例目までについて、「一九八〇年代に英国から輸入された牛を原料とする肉骨粉か、九〇年以前に輸入されたイタリア産肉骨粉が、飼料工場で牛用飼料に混入した可能性がある」との報告書をまとめている。

 今回のケースは、肉骨粉使用が禁止された二〇〇一年以前に出生し、二十四例の中で最も出生時期が早いことから、厚労省は「禁止される以前に、肉骨粉の混じった餌が与えられていた可能性がある」とみている。
(西日本新聞) - 3月18日2時11分更新
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060318-00000018-nnp-kyu

※この牛は1992年に生まれたことになります。


最後に、

〇ビデオジャーナリストの神保哲生氏のブログより
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 繰り返し指摘してきたことだが、アメリカでは出荷される牛の約1%強に対してしかBSE検査を行っていない。(検査した牛が1年で1年半で約60万頭。1年間の出荷量がだいたい3500万頭。)その検査も歩行困難な牛などのハイリスク・グループを全て対象としているとしているが、実際は抜き打ち検査ではなく、畜産業者の自主申告に基づく。万が一BSE発見となれば、その牧場の出荷する牛が全て売れなくなる可能性もあるため、畜産業者があえて神経症状のある牛を検査に差し出さない可能性は排除できない。いや、差し出さないと考える方が自然ではないか。現在のルールでは、神経症状の見られる牛がそのまま死んでしまえば、検査はしないで済むのだ。
 つまり、アメリカのBSE検査は丸であてにならないと考えるべきで、そのため実際にはかなりの数のBSE感染牛が存在していても、単にそれが顕在化していない可能性が排除できないということだ。その理由の一つとして、アメリカではまだ飼料規制が不十分で、反芻動物の肉骨粉を反芻動物にあげることは法律で禁止されているが、反芻動物の肉骨粉を豚や鶏の飼料とすることは法的に何ら問題はない。
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http://www.jimbo.tv/BSE/000245.php

※つまり、アメリカではどうやら、BSEではないと見られる健康な牛のみが検査され、BSEの疑いがあるへたり牛は検査されていない可能性が高いのです。これで、これまで見つかったBSE牛がわずか3頭という数字の謎が解けました。