春が近くなると必ず思い出してしまう、「春は馬車に乗って」という小説のタイトル。 横光利一の作品の一つですが、タイトルに惹かれて読んだ作品は、亡くなった奥さんに捧げるレクイエム作品といったもので、結核を患った妻と彼女の夫との間の辛辣で激しいやりとりが記されていて、若かった私にはいささか重い小説でした。
それなのに、なぜか春近くになると、この「春は馬車に乗って」の本のタイトルだけが私の中で一人歩きをして、春を待つ明るい気分になってしまうのです。 我ながらオカシイ・・と思うのですが・・・
私の住む町には、停車駅が途中一駅だけの単線鉄道が今なお走っています。 町の中心部から常磐線につなぐ4、5キロの鉄道です。 私自身は一度も乗ったことはないのですが、ヨーカドーへ行くための近道は田んぼの中の農道を行く道で、その農道を一両電車が横切る踏切があり、運が良ければ?踏切で電車の通過待ちをするチャンスに出合えます。 何とも長閑で好きな道です。 そんな電車を自分の春のイメージの中で走らせてみました~~ ソフトフォーカスにして、チョッと霞んだ春の感じを出して・・・ 「春は一両電車に乗って」(^_-)
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おまけ・・・下の絵は、10年以上前の秋に踏み切り近辺でスケッチしたものです。